ブルームバーグの報道によると、中国のPCメーカー、レノボ社の楊元慶(ヤン・ユワンチン)最高経営責任者(CEO)は、2年連続で、自身のボーナスのうち約325万ドル(3億2000万円)を、従業員およそ1万人に分配するという。
このボーナス分は、同社に勤務する約20カ国の従業員が受給する。その85%は、中国国内の従業員だ。従業員1人あたりの受給額は325ドルで、これは中国の労働者の平均月収に相当する。
同社の広報担当者がブルームバーグに述べたところによると、この報奨金を受給する従業員の多くは、他の種類の報奨金を受給する資格のない、パートタイムの従業員だという。[楊CEOは昨年も、個人ボーナスから300万ドル分を社員に分配した。昨年の報酬は1460万ドルで、うちボーナスは423万ドルだったという]
楊CEOの気前よさは、今年の同社の売り上げが記録的に好調だったことも影響していると考えられる。「Forbes」誌の報道によると、今年の第2四半期において、同社はPC製造部門でヒューレット・パッカード社社を抜き、世界1位となったという。
過去数十年間で、CEOたちの報酬額は急増し、経営者と一般従業員の収入格差は拡大を続けている。ブルームバーグの報道によると、S&P500企業におけるCEOの報酬は、一般従業員の賃金と比較すると、2012年では平均204倍だったという。この数値は2009年と比べると20%の増加であり、1950年と比べると10倍にもなる(日本語版記事)。
「ABC News」の報道によると、英国の衣料品販売チェーンNext社のロード・ウルフソンCEOも、今年4月に、自身の年間ボーナス全額を従業員に分配している。
「Minecraft」で有名なスウェーデンのゲーム会社MojangのCEOであるマルクス・ペルソン(通称Notch)氏も、2012年3月に、株式配当金300万ドルを同社従業員に分配したと報じられている。
[(English) 日本語版:丸山佳伸/ガリレオ]