米カリフォルニア州で17日に発生した山火事は、非常に乾燥した気候のため延焼の勢いが衰えず、世界遺産のヨセミテ国立公園の中にも火が燃え広がり始めた。CNNによると、全米各地から集まった3000人以上の消防士が必死の消火活動にあたっているが、いまだに全体の10%ほどしか消火できておらず、鎮火のめどは立っていないという。
これまでに日本の屋久島とほぼ同面積の54000ヘクタールが焼失、9棟の建物が全焼した。別荘などの建物4500棟も危機的な状況にあるという。さらに、260万人が住むサンフランシスコへ電気を供給しているダムや水を供給している施設にも影響が及ぶ可能性があるとして、カリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事は23日、サンフランシスコにも非常事態宣言を出した。
住宅地付近にも火の手が迫っているため、近隣に住む数百人に避難命令が出た。定住を始めたばかりという住民は「この場所は私たちにとって楽園のような場所。それが全部なくなってしまうなんて想像もできない」とCNNの取材に語っている。
■NASAが衛星写真を公表
NASAはホームページで宇宙から撮影した山火事の様子を公開している。白煙が非常に広い範囲に広がっている様子がわかる。
■全米で最も人気の高い国立公園
ヨセミテ国立公園は、全世界から年間400万人以上が訪れる全米で最も人気のある観光地。日本人にも「大自然を味わえる」と人気の場所だ。山火事の延焼が続くいまも、多くの観光客が公園を訪れているが、「火事の現場からは遠く離れている」として閉鎖はされていない。
カリフォルニアの観光地を紹介しているページ「Visit CaliforniaVisit California」は以下のように公園の魅力を紹介している。
アメリカの自然保護運動の父、ジョン・ミューアが中心となり、乱開発から自然を守ろうと立ち上がった運動により、1890年に国立公園に指定されたヨセミテ。シエラネバダ山脈の中心部にある深さ1000m、幅1600m、長さは11kmの谷、ヨセミテ・バレーを中心に、花崗岩として世界最大の一枚岩エルキャピタンや、アメリカ最大の落差を誇るヨセミテ滝など、ダイナミックな自然景観に溢れた国立公園です。季節ごとにまったく異なる光景もヨセミテの魅力のひとつ。年間350万人もの観光客が訪れていますが、1度ここを訪れれば、人々が何度もここに戻ってくる理由がきっと理解できるはずです
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