麻生太郎財務相は15日午前の閣議後会見で、現段階で法人税を引き下げても効果は限定的だとして、安倍晋三首相が引き下げの検討を指示したとの一部報道を否定した。
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財務相は、法人税を納めている企業が3割程度にとどまっている現状にあらためて言及し「今の段階で法人税率を引き下げて直ちに効果がある、というのは少ない」と述べた。引き下げ検討との報道には「くみしていない」とし、首相からの指示の有無に関する質問には「答えた意味が理解できていないのか」などと記者に問いかけ、否定した。
一方、秋の臨時国会で検討する投資減税などは「十分考えられる。来年の4─6月、消費税率が上がった後の話として、対策を考えておく必要はある」と述べた。
<4─6月期GDPは順調、消費増税へ「いい影響」>
内閣府が12日に発表した4─6月期実質国内総生産(GDP)については「極めて順調な数字」と評価した。名目成長率が実質を下回る名実逆転が3期ぶりに解消したことは「普通の形になりつつある。いいこと」だとし、在庫の減少も「消費が伸びていると思われる」と分析。消費増税の判断には「いい影響を与えた」と述べた。
財務相は6月の機械受注にも言及。設備投資の先行指標とされる船舶・電力を除いた民需受注額が4─6月、5四半期ぶりに増加したことに「来年、6カ月後の設備投資が増えることとほぼ同義。流れとして悪くない」とした。
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(ロイターニュース 基太村真司;編集 田中志保)
[東京 15日 ロイター]
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