年収400万ドル:韓国のスーパースター教師

『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙は先日、テクノロジー業界の大御所やウォール街の銀行家に匹敵するような400万ドルという収入を得ている韓国の教師、キム・ギフン氏を紹介した。

『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙は先日、テクノロジー業界の大御所やウォール街の銀行家に匹敵するような400万ドルという収入を得ている韓国の教師、キム・ギフン氏を紹介した

キム氏は、放課後に学習指導を行う「学院(ハグォン=日本の「学習塾」に相当)」で20年以上にわたって指導を行っており、「スーパースター教師」と形容されている。

米国では一般的に、「教師」という職業で贅沢な暮らしをするのは不可能と考えられているが、同記事によれば、韓国では学習塾が大人気であることから、キム氏のような高給取りの教師が生まれているのだという。同記事によれば、キム氏は英語の教師で、週に60時間働いているが、実際に授業をするのは3時間のみ。収入は主に、1時間4ドルで販売されるオンライン授業や、参考書の売り上げから来るという。これらのビジネスのために従業員30名の会社を経営し、自分の参考書を売る出版社も経営している。

米国版動画記事「HuffPost Live」では、キム氏と韓国の教育制度についてディスカッションが行われた。

韓国で教師を務めた経験のあるジェン・ペッド氏はディスカッションの中で、「かなりの金額が稼げる仕事のため、奨学金の返済や旅行資金を得るために仕事を始める人が多い」と説明し、「教えることと金儲けに興味がある人にとっては、最適な職業」だと語っている。

ただし、同じく以前に韓国で教師をしていたロビン・ラーセン氏は、「キム氏は明らかに例外だ」と話す。「キム氏は自分をブランド化してきたのだと思う。ほかの多くの国でも同じだが、韓国では世間体が重要とされることも、有名教師の授業が人気になる理由だろう」

さらにラーセン氏は、韓国の教育制度の問題点についても指摘した。「韓国の生徒たちは強いプレッシャーを感じており、米国の子どもたちよりも長期間学校に出席している」という。

いっぽう米国では、公立学校の教師たちが、教育予算削減と一時解雇に直面している。ノースカロライナ州では、先日可決された予算案により、教師の終身雇用とボーナス、そして補助教員制度が廃止される可能性がある。

[Rebecca Klein(English) 日本語版:兵藤説子、合原弘子/ガリレオ)]

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