政府の借金、利払費が急増。しかし財政健全化の内容はまだない状態【争点:アベノミクス】

政府の借金が1千兆円を超えた。財務省は9日、国債や借入金などを合計した額が、6月末時点で1008兆6281億円になったと発表した。これに合わせて、利払費も急増している…

政府の借金が1千兆円を超えた。

財務省は8月9日、国債や借入金などを合計した額が、6月末時点で1008兆6281億円になったと発表した。デフレ脱却に向けて、補正予算で大型の国債増発を行ったことが影響している。2013年3月末より17兆円以上増えており、2014年3月末には、1,107.1兆円になる見込みだという。

この政府の借金の数値は、1996年から財務相が現在のような形式で発表しているが、当時の額と比べると、3倍以上に増えている。政府の債務残高が増えると、債務による利払いが増え、それがさらに財政赤字を拡大させることになるが、利払い負担は現在どれぐらい有るのだろうか。

財務相の試算では、2013年度は、9兆9,027億円になると言われている。実は、金利が下がることによって、2006年度までは利払い費も下がっていたが、2007年度以降は、これが、再度上昇に転じている状態だ。財務省が今年3月に発表した仮定計算では、今後の利払費は増え続け、2020年度には20兆円を超える状態になるという。

政府は財政健全化の方向性を示す中期財政計画で、2014年度および2015年度の新規国債発行額が、2013年度の42.9兆円を上回らないよう最大限努力することを明記するとしている。

しかし、8日の閣議後に記者会見した麻生太郎財務相は、今後の財政政策について「経済成長を促進させて収入を増やすことと歳出の効率化の両方を積極的に行い、バランスさせるようにする」と述べ、その上で、「経済を縮小させてPB(プライマリーバランス、基礎的財政収支)をバランスさせる考えはない。経済を成長させてバランスさせる方向で考える」と話している。

政府は国を「成長」させる方向で舵を切った。その費用を賄うための財源の確保と、財政健全化を両立させようとすれば、どこかしら痛みは伴うだろう。増え続ける社会保障費などの対策には切り込むべき箇所の一つと考えられる。高齢者による医療費負担や、公立高校の授業料無償化などが話されているがスピードを上げなければ、余計に消費者の懐を痛める結果になるのではないだろうか。

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