「タイムズは売却しない」。タイムズ社代表アーサー・オークス・ザルツバーガー・ジュニア氏と副代表マイケル・ゴールデン氏は8月7日夜に声明を出した。
5日、ワシントンポストはジェフ・ベゾス氏が代表を務めるアマゾンに買収され、4代に渡る家族経営に終止符を打った。
それにより、アメリカの主要紙で家族経営が行われているのはタイムズのみとなった。
「私たちがタイムズを売ろうとしている?答えはノーです」。声明文は続く。
「タイムズは売却しません。オークス・ザルツバーガー・トラストへの委託者とザルツバーガー家は、会社の役員や経営陣、従業員らと共に、ニューヨークタイムズをグローバル化、デジタル化する未来へと導いていこうと一致団結しています」
ハフィントンポストが水曜以前に報じたように、ワシントンポストの売却は、タイムズの将来に関する憶測を呼んだ。
ハフィントンポストでタイムズを分析してきた記者は以下のように分析する。
「ワシントンポストという象徴的なブランドが買収され、今後新しいオーナーの下でどうなっていくのか、ザルツバーガー家は注意深く観察していくはず。性急な動きは無いだろうが、ベゾス氏が改革に向けて何かしらに手をつければ、アメリカを代表する新聞社としての地位を担ってきた一族の理念に影響を与えることは免れないだろう」
その週はメディア関係の記者にとっては忙しい週だった。3日には、ニューヨークタイムズ社はボストン・グローブをボストン・レッドソックスのオーナー、ジョン・ヘンリー氏に売却した。
もっとも、ニューヨークタイムズの財務状況は安定しているように見える。電子購読版の成功による収入源があるからだ。
ザルツバーガー氏は再び、同紙に売却の意志が無いことを強調した。ちょうど一週間前、デイリー・ビーストの質問に対しテーブルを叩いて断言した。
「断じて、売却は、しません」
とはいえ、ワシントンポストも公には売りに出されてはいなかったのだ。買収が発表されるまでは......。
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