ディオバン、副作用のおそれ=皮膚がただれるなどの「使用上の注意」明記を指示

厚生労働省は8月6日、東京・港区の製薬会社ノバルティスの降圧剤ディオバン(一般名・バルサルタン)について、皮膚の広範囲がただれるなどの重い副作用の出る可能性があることを添付文書の「使用上の注意」に明記するよう同社に指示した。
Novartis

厚生労働省は8月6日、東京・港区の製薬会社ノバルティスの降圧剤ディオバン(一般名・バルサルタン)について、皮膚の広範囲がただれるなどの重い副作用の出る可能性があることを添付文書の「使用上の注意」に明記するよう同社に指示した。共同通信が伝えた。

医薬品などの副作用を審査する医薬品医療機器総合機構によると、ディオバンは2000年に販売が始まったが、それ以降、服用した患者のうち合わせて41人が、皮膚が腫れたり、ただれたりする症状を訴えたという

機構が専門家に依頼して調査した結果、このうち18人は薬の副作用の可能性が否定できなかったということで、薬の添付文書を改めるべきだとする報告書を厚労省に提出した。

新たに副作用として記載されるのは「中毒性表皮壊死融解症」「皮膚粘膜眼症候群」「多形紅斑」「天疱瘡」「類天疱瘡」の5疾患。いずれも重症の薬疹で、全身の皮膚が赤くなったり、広い範囲にただれや水膨れが出たりする。

高血圧症の治療薬ディオバンは1996年にドイツで承認されて以来、世界約100カ国で承認されている日本国内では推計400万人が服用しているという。京都府立医大や東京慈恵会医大による臨床研究の論文で人為的なデータ操作の不正が行われたことが明らかになっているが、厚労省は、一連の論文不正事件と今回の指示との関連はないとしている

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