大リーグのヤンキースで2009年ワールドシリーズ最優秀選手(MVP)に輝き、昨季限りで現役引退して国民栄誉賞を受賞した松井秀喜さん(39)が28日、ニューヨークのヤンキースタジアムで引退式に臨んだ。1日限りのマイナー契約を結んで4年ぶりにヤンキースの一員となり、式典前の記者会見で「ヤンキースの選手として引退することができて光栄です」「引退した時はこのようなことをして頂けると夢にも思ってなかった。幸せなことです」と語った。朝日新聞デジタルが報じた。
会見場にスーツ姿で現れた松井さんは、球団から用意された契約書に笑顔でサイン。会見の冒頭で次のように述べた。
「本日、ヤンキースと契約することが出来て、ヤンキースの選手として正式に引退することが出来て本当に光栄だと思います。ヤンキースの皆さんには感謝の気持ちで一杯です。
ヤンキースというチームは僕にとっては、ずっとあこがれでした。あこがれのチームで7年間も在籍させてもらって、その日々というのは、本当に幸せな日々でした。
ワールドチャンピオンになるということだけを夢見て毎日プレーして、2009年に最後に、ワールドチャンピオンになれたこと、本当に僕にとっては一生の思い出です。
去年一杯で引退したんですが、引退したときはこのようなことをしていただけるとは夢にも思ってなかったので、こうしてもう一日だけヤンキースの一員になれたこと、そしてヤンキースで引退できること、そのことをもう一度、ヤンキースとヤンキースファンの皆さんに感謝したいと思います。ありがとうございました」
(MLB.jp「松井秀喜氏、ヤンキースの選手として引退会見/一問一答」)
レイズ戦の試合前に開催された引退式ではまず、中堅にある大型スクリーンを使い、現役時代の雄姿が映像で紹介された。続いて松井さんがゴルフカートに乗って中堅からグラウンドに登場。父昌雄さん、母さえ子さんらが同席し、本塁付近に用意された机の上で、引退の書面にサインした。続いてジーター選手から、09年に着たユニホームを収めたパネルが贈られた。
セレモニー後、テレビ東京による生中継に出演し、大江麻理子アナウンサーとのインタビューで「ただただ感謝。これ以上幸せなことはないですね。(セレモニーの間)ずっと感動しっぱなしで、泣きそうでした」と感無量の様子で「最良の一日」をかみしめた。
松井さんは「メジャーリーグで過ごした10年は幸せな日々でした。いい時もそうじゃない時もありましたが、プレーできたってことだけでも十分、幸せでした」と振り返った。今後については「具体的にはこれといってプランはないんですが、一息つきながら、次へのエネルギーを貯めていきたい」と話していた。