尖閣諸島の沖合いで、日本の護衛艦が中国の空母を撃沈。上空には米国海兵隊の新型輸送機「オスプレイ」が飛び交っている。もし本当にこんなことが起こったら日中戦争が勃発確実な緊急事態だが、これはプラモデルの箱の絵の話だ。この絵に対して、中国のメディア各社が「日本国内の右翼勢力の敵対意識」「中国の空母を日本人は鼻で笑っている」などと、怒りを露わにして報道している。
これは、日本の模型メーカー「青島文化教材社」(アオシマ)が、5月10日に発売した「1/700 ヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが 離島防衛作戦」という商品。海上自衛隊の護衛艦「ひゅうが 」と、オスプレイ、それに攻撃ヘリなどが同梱されたセット物。パッケージに描かれた絵の背景に尖閣諸島の魚釣島らしき島と、爆発炎上して沈没しつつある謎の空母が見える。日本のネット上では、パッケージ絵が先行発表された4月時点から、中国軍が初導入した空母「遼寧」によく似ていると話題になっていた。
今回のプラモデルについて、中国のメディアでは以下のように報じている。
背景に描かれているのは中国の領土である釣魚島(日本名:尖閣諸島)であり、日本の海上自衛隊のヘリコプター護衛艦「ひゅうが」が中国海軍の空母「遼寧」を攻撃し、撃沈させるという勝手放題の内容が描かれていた。これは、日本国内の右翼勢力の中国に対する敵対意識を断面的に反映するものである。(中国網 2013/05/10)
中国人は空母を持てたと喜びの声を上げているが、それは単なる訓練用で実践(原文ママ)に投入できるものではない、と日本人は鼻で笑っているようだ。(新華経済 2013/07/23)
アオシマでは、これまでにも北朝鮮の工作船や、尖閣沖で海上保安庁の巡視船に衝突した中国漁船をモチーフにしたプラモデルを実際に販売した過去がある。タイムリーな外交問題を扱うことで、模型ファンの定評がある玩具メーカーだが、今回のパッケージイラストは、果たしてやりすぎだったのか。
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