安倍晋三首相と公明党の山口那津男代表は22日午後、国会内で会談した。時事通信が報じている。党首会談では、衆参の「ねじれ」を解消したことを受け、今後の政権運営方針について協議したという。
朝日新聞によると、安倍首相と山口代表の党首会談では、参院の正副議長を選出する臨時国会を8月2日に召集、会期を7日までの6日間とする日程を確認した。また、自民党は22日の参院執行部会で参院議員会長選を26日告示、30日投票とする日程を確認した。
菅義偉官房長官は22日の記者会見で、安倍首相の東南アジア訪問の日程を正式に発表。25日〜27日にマレーシア、シンガポール、フィリピンの3カ国を訪れ、26日にはシンガポールを訪問中のバイデン米副大統領と会談する。内閣改造・自民党役員人事について菅官房長官は「首相はほとんど休むことなく7カ月走り続けてきた。夏は休んでいただき、その時にしっかり考えると思う」と述べたという。
自民党の石破茂幹事長は22日朝、自民党の憲法改正草案について「国民がきちんと理解しているかといえばそうではない。戦略的に対話集会みたいなものをやっていく」と記者団に述べ、改憲について国民に直接説明の場を設ける考えを表明。また、草案では9条を改正して自衛隊を「国防軍」と位置づけるとしているが、「国防軍というだけで全部(改憲が)ぶっ飛ぶのであれば防衛軍でもいい」として、名称にはこだわらない考えを示したという。
共同通信によると、首相は22日午前、自民党の臨時役員会で、与党の参院選圧勝について「ねじれ国会を解消し、安定的な多数を確保した。問われているのは自民党で、一致結束して結果を出したい」と述べたという。
■TPP・消費税に結論を出す
「もはやねじれを言い訳にしたり、野党のせいにしたりすることはできません」と安倍首相は、22日午後に記者会見で述べた。参院選に関連して、国民が最も求めているのは全国津々浦々まで実感できる強い経済を取り戻すことだと語ったと朝日新聞が報じている。安倍首相は「参院で安定多数を確保したことで、大胆な規制制度改革や環太平洋連携協定(TPP)交渉、消費税上げなど困難な課題に結論出していかないといけない」との決意を表明し、当面の政策課題については「15年にわたるデフレからの脱却は簡単ではない。そのことに集中していきたい」との考えを改めて示した。
自民党では9月末に党役員が任期を迎えるが、産経新聞によると、石破茂幹事長の処遇について記者から問われた安倍首相は「昨年の衆院選も、参院選も私は石破幹事長ともに戦って、この実績を得た」「そうした観点からですね、役員人事について考えていきたい」と述べ、石破幹事長の続投を示唆し、また「役員のみなさまそれぞれ大きな仕事をしていただいた」「この昨年12月以来、ずっと一致結束して、ここまできた。それはやはり、それは執行部の皆さまの力、私はよるところが大きかったんだろう」と述べた。
そして、内閣改造については、「閣僚のメンバーもきょうから仕事に専念していただかなければならない」と述べ、人事については、いまの段階ではまだ白紙であるとの考えを示した。
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