経団連は8日、会員企業の採用活動のルールを定めた「倫理憲章」を見直し、大学生の就職活動の解禁時期を3年生の3月に繰り下げる指針を定めると決めた。安倍政権の就職活動繰り下げ要請にあわせた。2016年4月入社の採用から適用し、現在の大学2年生が対象となる。朝日新聞デジタルによると、指針は企業の自主性にまかせる倫理憲章より拘束力が強いという。
これまでは、会社説明会の解禁は大学3年生の12月、面接などの選考開始時期は4年生4月からだった。このルールを、説明会開始時期は大学3年生3月に、選考開始の時期は4年生の8月に繰り下げる。新しい指針は現在の大学2年生から適応され、現在の大学3年生の選考はこれまでのルールで実施される。
時事通信によると、米倉弘昌会長は8日の記者会見で、採用ルールの改称について「従来の自主的なルールと位置付けが異なる」と説明。これまでは、経団連方針に賛同する企業のみを対象にしてきたが、今後は原則、全会員企業(約1300社)に協力を要請するという。
ただ、従わない企業に対する罰則規定はなく、外資系企業も含めてどれだけ守られるかは未知数だと産経ニュースは伝えている。同ニュースによると、今年5月17日現在でも経団連の会員企業約1300社のうち、経団連の採用規定に賛同している会員企業は約6割にとどまっている。
具体的な指針の内容や企業向けの手引きは、インターンシップの取り扱いなどを踏まえて、9月に正式発表する。
安倍政権は6月に閣議決定した成長戦略で、就職活動の解禁時期の繰り下げを盛り込んでいた。
学修時間の確保、留学等促進のための、2015 年度卒業・修了予定者からの就職・採用活動開始時期変更(広報活動は卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降に開始し、その後の採用選考活動については、卒業・修了年度の8月1日以降に開始)について、中小企業の魅力発信等、円滑な実施に向けた取組を行う。
(「日本再興戦略」)
就活の解禁時期が繰り下げられたことで、学習時間の確保や留学促進につながるのか。
ネット上では「」「」など賛否両論、様々な意見が上がっている。
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