ホンダ
世界で環境規制が強化されるなか、「究極のエコカー」と呼ばれるFCVで協業し、コスト低減を図る。
FCVの開発をめぐっては、トヨタ自動車
GMのスティーブ・ガースキー副会長はニューヨークでの記者会見の予定原稿で「石油依存を減らすため、より伝統的な推進形態に対して考えられる複数の選択肢の一つとして、水素燃料電池の技術を信じている」と表明。「ただ、商業用により実用可能となるほどには、こうした技術のコストは下がっていない」と話した。
FCVは空気中から取り込んだ酸素と水素を化学反応させ、生み出した電気で駆動する。同じく電気で駆動するEVはバッテリーの充電に30分から8時間かかるのに対し、FCVは水素ステーションでわずか数分で補給が可能。航続距離も通常160キロとされるEVの数倍という利点がある。
環境対応車として期待され、日産自など大手メーカーが多大な投資を行ってきたEVだが、消費者の反応は鈍い。EVの普及が進まないなか、FCVに対する注目が高まっている。
今回の連携で、ホンダとGMは地方政府などと共に水素ステーション網の拡大を図るとした。
米国は昨年、自動車に関する新たな燃費規制を発表。自動車メーカーは2025年までに乗用車と小型トラックの燃料の平均走行距離を54.5マイル/ガロン(23.2キロメートル/リットル)に引き上げることが義務付けられている。
オートモーティブ・コンサルティング・グループ(ミシガン州)のデニス・ビラグ社長は「各社とも基準達成に向けた対応を迫られているが、EVではうまくいかないだろう」と述べた。
トヨタは2015年までに水素インフラが整備される見込みの大都市周辺で、セダンタイプのFCVを一般ユーザー向けに発売。さらにBMWと開発した燃料電池システムを搭載する新型FCVを20年をめどに導入する計画。日産自、ダイムラー、フォード連合も17年の販売開始を目指し、手頃な価格のFCVを開発している。[デトロイト 2日 ロイター]