米国の最高裁判所は6月26日(米国時間)、結婚防衛法(Defense of Marriage Act、DOMA)とカリフォルニア州の提案8号を事実上、無効にする判決を下した。[結婚防衛法は、結婚は男女間に限ると定義した連邦法。1996年に制定されたもので、現在9つの州で合法となっている同性婚カップルに対し、異性婚と同様の連邦法上の権利と利益の享受を妨げるものとなってきた]
この歴史的な判決に対して、有名企業が次々と支持を表明した。以下に紹介しよう。
Apple
「Appleでは結婚の平等を強力に支持しており、この問題は公民権の問題だと考えている。われわれは、今日の判決を出した最高裁に拍手を送る」
Starbucks
「平等は当社の中心的価値だ。Starbucksは20年以上、同棲パートナーの福利厚生を提供している」
「Google社は、すべての人のための同権を完全に支持する」
「Facebookの米国人ユーザーのうち約70%(日本語版記事)が、自分がゲイ、レズビアン、あるいはバイセクシャルであることをタイムライン上で明確にしている友達とつながっている。 #PrideConnectsUs」
Goldman Sachs
「今日の判決には、直接影響するグループに属しているかどうかは関係なく、ひとつの国民(a people)としてのわれわれを明確にする効果がある」(Goldman Sachs社、ロイド・ブランクフェインCEO:なお、「a people」は2008年大統領選挙におけるオバマ氏の勝利宣言で使われた言葉で、さらにその起源はキング牧師)
Ernst & Young
「Ernst & Young(世界4大会計事務所のひとつ)は、多様性と包摂性に真摯に取り組んでおり、LGBT(同性愛と両性愛、トランスジェンダーの総称)である専門家たちの、性的指向や性同一性における相違は大切だと考えている。才能と顧客を求めてしのぎを削っている米国企業にとって、LGBTである労働者を包摂するための、不当差別禁止の方針や福利厚生といった方策は不可欠だ。Ernst & Youngは、LGBTのプロフェッショナルたちを包摂することの利点を早くから認め、その最前線に立ってきた」
Citi
「Citi社は、多様性が受け入れられ、それぞれの違いが尊重される職場環境を推進している」
Cisco
「われわれは、職場における包摂性と多様性を奨励してきた歴史がある。独自の人生経験、文化、そしてバックグラウンド持つ人々をひとつにして、創造的で革新的で協調的な環境を推進している」
「この判決を聞くために最高裁の前に集まっていたたくさんの人々によって、この歴史的な出来事はInstagram上に記録された。中にはテントを張って夜を過ごした人たちもいる。判決は、東部時間の午前10時過ぎに発表された」
Microsoft
「Microsoft社は、数多くの企業や団体、そして地方政府とともに、DOMAへの異議を支持してきた。DOMAは、雇用者に負わせるコストと管理負担が大きい。また、職場における多様性と機会の均等を推進する取り組みの妨げになってきた」
NIKE
「NIKE社は、同性間の婚姻、同棲関係、および職場における不当差別禁止が認識されるよう、かねてから支援してきた。最高裁が結婚の平等を支持する判決を出したことを歓迎する(略)われわれは多様性と包摂性を大切にする会社であり、我が社の社員全員が平等に扱われるべきだと確信している」
Gap
「いつも一緒」(公式Facebookへの投稿)
Ben & Jerry's
結婚の平等は憲法上の権利!(Ben & Jerry'sアイスクリームの書体)
「今日の最高裁の判決が、結婚の平等への歴史的な一歩であることをうれしく思う」
Banana Republic
「サンフランシスコが本拠地であるブランドとして、カリフォルニア州を結婚の平等へと進ませる最高裁の判決を喜んでいる」(Banana Republic社はGAP社が所有するブランド)
Levi Strauss & Co.
「困難が終わるわけでは決してないが、今日という日は、結婚の平等のために続くこの闘いの重要な一歩だ」
Johnson & Johnson
「われわれは最高裁の判決を支持する。合法的に婚姻したすべての従業員が、平等に扱われるべきだと確信している」(Johnson & Johnson)
[English 日本語版:緒方亮/ガリレオ]
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