安倍首相、参院選でねじれ解消 3年間はデフレ脱却に集中

安倍晋三首相は26日夕、通常国会閉会にあたって記者会見し、来るべき参議院選挙では与党で過半数を獲得して国会のねじれを解消しなければならないと語った…
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安倍晋三首相は26日夕、通常国会閉会にあたって記者会見し、来るべき参議院選挙では与党で過半数を獲得して国会のねじれを解消しなければならないと語った。

また、その後の3年間について、デフレ脱却に集中し、強い経済を取り戻すとの決意を示した。

<参院選、ねじれに終止符を打つ責任が私にはある>

安倍首相は7月の参議院選挙について「今の私の気持ちを率直に申し上げれば、チャレンジャーとしての緊張感、それに尽きる」と語った。自身が首相だった6年前の参議院選挙で敗北したことをあげ、「その敗北がすべての始まりだった。政治は迷走し、毎年首相が変わり、日本の国力が大きく失われた。痛恨の思いだ。日本のため、このねじれに終止符をうたねばならない。その責任が私にはある」と語った。参議院選挙の目標については「ねじれを解消するため、与党で過半数を目指す」と明示した。

<経済は改善、景気回復が実感されるまでやり抜く>

安倍首相はこの半年の政権運営の実績について「三本の矢の経済政策は昨年のマイナス成長を今年のプラス成長に大きく反転させた」とし、「生産も消費も雇用も、経済を表す指標はことごとく改善している。半年前、世の中を覆っていた暗く重い空気は一変した」と訴えた。さらに先のG8サミットでも日本の経済政策は高く評価されたと指摘、「私たちの政策は間違っていない」と語った。一方、「まだ(景気回復が)実感できていない、これが国民の正直な気持ちだと思う。景気回復を全国津々浦々にいたるまで実感していただきたい。経済政策もこれからが正念場だ。とことんやり抜く」とした。

そのうえで、自身への問責決議がこの日可決されたことに触れ、「ねじれの象徴だ」とし、日本がグローバルな競争を勝ち抜くために必要なスピード感を取り戻すにもねじれの解消が必要だとの考えを示した。

<参院選後も経済に集中、デフレ脱却は大事業>

参議院選挙後の政策課題については「15年間デフレが続いた国がデフレから脱却する、これは大事業だ」とし、「まずはこの3年間、基本的にはそこに集中したい」と明言した。さらに「経済力を失った国は国力を維持できない。強い経済力を勝ち得ることに集中していきたい」と述べた。

また、選挙制度改革に関連して、民間の有識者が議論を行う第三者機関を国会に設けることを提案した。

<原発輸出、相手国の意向踏まえて実施>

原発の再稼働については「安全第一が原則だ。新規制基準を満たさない限り再稼働しない」との立場をあらためて示した。一方、「東京電力福島第一原子力発電所の事故で得た経験と教訓を世界と共有することで原子力安全の向上に貢献することがわが国の責務だ」と指摘。中東や東欧への訪問で日本の原子力技術への高い評価があったとして「原子力輸出については相手国の意向や事情を踏まえながら、わが国の技術を供与していく」との考えを示した。

憲法改正については、国民の中でどれくらい議論が深まっているか、広がっているか、あるいは変えていく方向が共有されているかが大切だと指摘。国民の理解と平仄(ひょうそく)をあわせて議論したいとした。(石田仁志、基太村真司)

[東京 26日 ロイター]

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