大飯原発、稼働継続へ、規制委「直ちに問題が生じるものではない」【争点:エネルギー】

原子力規制委員会が20日、「直ちに安全上重大な問題が生じるものではないと判断する」との評価案をまとめた原発とは…

関西電力

規制委は19日、新基準の施行日を来月8日とすることを決定。国内全ての原発は新基準が要求する性能を満たすことが求められ、停止中の原発が再稼働するには、審査を通じて適合の認定を受けなければならない。ただ、大飯3、4号は昨年7月、民主党政権(当時)の政治判断で「暫定基準」に基づき再稼働したため、規制委は新基準施行に先行して大飯3、4号の評価を4月に着手。今月15日には現地調査を行い、今回の評価案をまとめた。

評価案は「新規制基準施行後の審査において対応すべき課題がある」とも指摘。具体的には、1)新規制基準で求められている地下構造の三次元的な把握を行う必要がある、2)火災防護では耐火壁・耐火スクリーン、自動消火設備の設置を求める─などとした。

また、「関電には、対策を小出しに提案して新規制基準を満たす最低線を探ろうとするような姿勢が一部にみられた」とも記載。関電側の出席者は会合で「決して基準の最低限を探る、対策を小出しにする意図はなかった。厳しいという感想だ」と発言した。

大飯3、4号は9月に定期検査で運転停止した以降に、改めて新基準への適合の審査を受けることになる。同社は9月以降に受ける審査について、来月8日の新基準施行後、速やかに規制委に申請する方針だ。規制委の更田豊志委員はこの日の会合で、「(新基準)施行後の審査はこの評価書に縛られることなく行われる」と語った。

(浜田健太郎)

[東京 20日 ロイター]

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