ネット選挙より、どぶ板選挙が勝利の秘訣?
自民党の石破茂幹事長は13日、都内で開かれたネット選挙解禁についてのフォーラムで「握った手の数しか票は出ない、歩いた数しか票は出ない、というのはこれから先も真理」などと述べ、ネット頼みの選挙戦について疑問を投げかけた。
フォーラムには石破幹事長のほか、民主党の細野豪志幹事長も出席した。
朝日新聞デジタルによると、石破氏は「若い議員で、朝から晩までスマートフォンをいじっている人がいる。いけないとは言わないが、『ちょっと違う』という気がしないでもない」と苦言を呈した。
さらに、ネット選挙解禁で「政治家の基本」を忘れるのではないかとの懸念を示した。
「古い」と言われるかもしれないが、1日に300、400軒を歩いていると色々なことがわかる。一つのバリエーションとしてネットをどう使うかであって、ネット選挙が全てとなると、なんとなく政治家の基本を忘れてしまう気がする。
(朝日新聞デジタル 2013/6/14 2:35)
一方、石破氏はネット選挙の利点についても言及。産経ニュースによると、石破氏は「今までより情報を安くリアルタイムに発信し、双方向でやりとりできる」と期待を示した。これに対して細野氏も「選挙が合理的なものに変わると期待している」と述べたという。
握った手の数、歩いた数しか票は出ない――。石破氏の言うような、選挙区をこまめに回り、有権者一人一人に訴えかける選挙は「どぶ板選挙」とも言われる。
参院選ではネット選挙が解禁され、ソーシャルメディアの活用に期待が高まっている。一方で、結局、「どぶ板」が力を発揮するのでは、との声もある。
アメリカ在住の有元美津世さんが、ある市の市長選で選挙活動ボランティアを務めた経験をもとに、ソーシャルメディアの活用についてブログに綴っている。
その記事によると、選挙ボランティアをしていた候補者は大手通信会社に勤めた経験があり、ソーシャルメディアを使いこなした選挙戦を展開。フェイスブックの友達は2千人近くにのぼったが、フェイスブックの友だちも「いいね」も半数以下の対立候補に、大敗してしまったという。
選挙戦で、有元さん自身はどぶ板の戸別訪問も経験。そうした経験も含め、次のように述べている。
彼ら(編集部編:ネットでの発信に積極的な人たち)は、発信したメッセージが、どれだけの人に到達しているかも把握しておらず、ネットで書き込むことで何かを達成した気になっていた。いくらブログを書いたり、ソーシャルメディアに投稿したり、ネット上で盛んに議論をしても、それが票につながらなければ、選挙では意味がない。
(CNET Japan「米国に見るネット選挙運動、市長選の経験から(前編)--有元美津世のSocial Insights」 2013/06/14 15:00)
なお、有元美津世さんのブログ全文はこちらから読むことができる。
ネット上でも様々な意見が上がっている。
ネット選挙 vs. どぶ板選挙?それともネット選挙自体、どぶ板選挙?
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