ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)による最新レポートによると、中東のカタールでは、同国世帯のうち14%以上が100万ドル以上の資産を所有しているという。世界全体では、資産額が100万ドル以上の世帯は0.9%に過ぎない。
富裕層の割合の高さが顕著な中東の国はカタールだけではない。BCG社によるレポート(下表)によると、他の中東国としては、クウェート(3位)、バーレーン(6位)、アラブ首長国連邦(8位)なども上位に挙がっている。中東全体では、総資産額は2012年比で9.1%増え、4兆8000億ドル上昇している。
Source: The Boston Consulting Group Global Wealth 2013 report
カタールにおける富裕層割合の圧倒的な高さは、主に急成長している石油・天然ガス産業の恩恵によるものだ。カタールは天然ガスの確認埋蔵量が世界3位を誇る。さらに同国は、石油産業に自国民を優先的に雇用させる政策「カタリゼーション」を実施し、生み出された富の大半が国内に確実に残るよう努めている。この政策の結果、カタールは、国民1人あたりのGDPがアジア1位、世界4位となっている。
BCG社によれば、1億ドル以上の資産を保有する超富裕(Ultra-High-Net-Worth)世帯は、個人資産の年間予想成長率が9.2%とされ、その成長率は、資産額が1億ドル未満のどのグループよりも高い。2017年までには、この超富裕世帯は、世界の全資産の6.8%を保有するようになると予測されている。
カタールにおける個人資産額1億ドル以上の超富裕世帯の割合は、10万世帯あたり8世帯で、世界4位だ。米国の超富裕世帯は4.9%で、バーレーンと同率の6位とされている。
ただし、割合でなく実数で見ると、米国は、個人資産額100万ドル以上の世帯数が世界で最も多い(587万6000世帯)。1億ドル以上の資産を保有する超富裕世帯数は3016で、これも世界1位だ(日本は、100万ドル以上の世帯数が世界2位、割合は2.6%で世界14位。1億ドル以上は上位に入っていない)。
[Carlo Davis(English) 日本語版:丸山佳伸/ガリレオ]