ミネソタ大学の研究チームは、脳波を利用し、WiFi経由で「クアドコプター」(4つのプロペラを持つラジコンヘリ)を操作できるシステムを開発した。
このシステムは非侵襲性で、複数の電極を取り付けた帽子を装着してヘリコプターを制御する。テスト飛行の詳細は、神経工学に関する専門誌『Journal of Neural Engineering』の2013年6月号に論文が掲載されている。
身体のある部位を動かそうと考えると、脳内の運動皮質と呼ばれる部分の細胞がわずかな電流を発生させる。今回の研究では、電極を取り付けた帽子がこの情報をコンピューターへと送信し、コンピューターはその情報をヘリコプターの操作情報に変換する。右手で握り拳を作る動作を想像すると、ヘリコプターは右折する。また、両手で握り拳を作る動作を想像するとヘリコプターは上昇し、両手を休める動作を想像するとヘリコプターは下降する。
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思考とヘリの動き方について説明する図。
玩具のヘリコプターを操作するのは確かに面白いが、この技術は、麻痺や神経変性病などの患者に対して、実際に役にたつ技術を生み出す可能性がある。将来的にはこうした患者が、車椅子や義肢、その他の機器を制御できるようにしたい、と論文の主著者であるビン・ヒ教授は述べている。
[Macrina Cooper-White(English) 日本語版:丸山佳伸/ガリレオ]
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