「JAMA Internal Medicine」誌に発表された新しい研究によると、菜食主義の人のほうが長生きできる可能性があるようだ。
米国ロマリンダ大学の研究者が6年かけて実施した調査によると、ベジタリアンはそうでない人たちに比べて死亡リスクが12%低かったという。
調査の対象となったのは、セブンスデー・アドベンチスト教会の信者である7万3308名の男女だ。彼らは2002年から2007年にかけて募集され、平均で5.79年間追跡調査が行われた。その間に2570人が亡くなっている。
研究者によると、ベジタリアンは、ベジタリアンでない人たちと比べて、全体として調査期間中に死亡するリスクが12%低かった。そして、ベジタリアンのなかでも、食べる食物が異なると違いがあった。具体的には、ヴィーガン(純粋菜食者)はベジタリアンでない人たちと比べて15%、ラクト・オボ・ベジタリアン(乳製品と卵は食べる菜食主義)は9%、セミ・ベジタリアン(一部の肉は食べる)は8%死亡リスクが低かったという。さらに、ペスクタリアン(工業的に作られた食品を避け、野菜のほか天然の魚、乳製品、卵を食べる人たち)の場合は、19%低かった。
ただし注意すべきことは、ベジタリアンの方が、既婚率と教育レベルが高く、年令が高く、痩せている傾向が見られたことだ。また、ベジタリアンの方が、よく運動し、タバコも酒も飲まない人が多かった。これらの要素は死亡率に影響を与えると研究者らは指摘している。さらに、追跡調査の期間が比較的短かったことにも注意する必要がある。
いっぽう、オックスフォード大学が2013年1月に発表した研究結果によれば、ベジタリアンは、肉や魚を食べる人に比べて心疾患リスクが32%低かったという。この調査は、英国に住む4万5000人の人々を対象としたもので、被験者の34%がベジタリアンだった。
この研究ではさらに、ベジタリアンの方がBMI(ボディマス指数)が低く、糖尿病にかかる人も少ないことがわかっている。
また、「Diabetes Care」誌に2011年4月に掲載された調査結果によれば、ベジタリアンは、メタボリックシンドロームになるリスクが低いという(メタボリックシンドロームは、2型糖尿病のリスク因子と考えられている)。
Amanda L. Chan(English) 日本語版:佐藤卓、合原弘子/ガリレオ)
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