安倍政権下で、事業仕分けが始まる。
民主党政権で派手に行われるも効果がいまいちわかりづらかった「事業仕分け」。安倍政権下では、民主党政権で事業仕分けを行なっていた「行政刷新会議」の代わりに、「行政改革推進会議」を置き、各府省が事業の予算執行状況を自ら点検する「行政事業レビュー(見直し)」として行われる。
事業仕分けは、民主党政権で話題になったが、元々は民間シンクタンク「構想日本」が考案した仕組みで、地方公共団体にお
いては2002年2月から、国としては2007年8月に当時与党であった自民党の無駄遣い撲滅プロジェクトチームによって「政策棚卸し」と称して初めて実施している。しかし、その後も何度か実施されたが、結果は予算に反映されなかったという経緯がある。
仕分けが行われても予算に反映されないという問題について、産経ニュースは下記のように説明している。
国民に公開する形で行われた事業仕分けは、民間議員ら「仕分け人」の判断に事業の存廃が過度に左右され、政策上必要な事業まで削られたとの批判が強い。新設する行政改革推進会議では、民主党政権が実施した、「事業仕分け」は廃止し、その効果や問題点を点検した上で、公務員の人件費削減や国有資産の売却などに本腰を入れる。
(産経ニュース「「事業仕分け」廃止・省庁再々編検討 政府が行革推進会議設置へ」より。 2013/1/15 01:30)
今回の行政事業レビューでは、各府省自らが、5,000を超える国の全ての事業について、概算要求前に、前年度の執行状況(支出先や使途)等の事後点検を行い、事業内容や目的、成果、資金の流れ、点検結果などを書いた各府省共通のレビューシートを作成、公表するものになる。
注意しなくてはいけないのは、この行政事業レビューのうち、一部だけが外部の有識者による点検となるということだ。これまでの行政事業レビューは5,000事業全てに対して、外部有識者によるチェックが入っていたが、今回からは、約500事業となる。また、そのうち50〜80事業程度が、インターネットなどで公開される(公開プロセス)。なお、これまで公開されていたのは2012年では91事業であった。
行政事業レビューでは、各事業について、事業の目的、概要、予算の執行額、成果目標、予算の支出先、使途、活動実績とその結果を、レビューシートに記載する。そのレビューシートを、公開プロセスの対象となる事業は、公開プロセス開始の10日前までに、それ以外の事業については、原則6月末、遅くとも7月末までに中間公表する。
また、公開プロセスを経た事業については、公開プロセスの結果は、概算要求に当たっての各府省の判断を示すものではないが、その結果と異なる概算請求を行う場合は、十分な説明責任を果たす必要があるとなっている。
行政事業レビューの公開プロセスは、10日から始まり、ニコニコ生放送等で中継される。検討内容等はすでに「行政事業レビュー公開プロセス特設ページ」に掲載されている。
■6月10日(月)
■6月13日(木)
■6月14日(金)
・総務省(中継ページ)
■6月17日(月)
■6月18日(火)
・文部科学省(中継ページ)
■6月19日(水)
・防衛省(中継ページ)
■6月21日(木)
・財務省(中継ページ)
■6月24日(月)
■6月27日(木)
・復興庁(中継ページ)
■6月28日(金)
・法務省(中継ページ)
この「行政事業レビュー公開プロセス特設ページ」には、よくわからないキャラクターの「レビュー君」と「デビュー君」もいる。この2人のキャラクター自体が「無駄」といわれないよう、実のあるレビューになることを期待する。