風俗営業法(風営法)の取り締まり強化でクラブの摘発が相次いでいる問題を受け、超党派の国会議員約60人でつくる「ダンス文化推進議員連盟」が20日、発足した。朝日新聞デジタルによると、議連は、参院選後の臨時国会への改正案提出を目指している。風営法改正を求める「レッツダンス署名推進委員会」も約15万筆の署名を提出した。
風営法では、客にダンスと飲食をさせるクラブは規制対象となり、営業には各都道府県公安委員会の許可が必要。午前0時(一部では午前1時)以降の営業はできない。無許可で営業する店も多い。警察は長年、未明の営業を事実上黙認してきたが、近年大阪や東京などで摘発が強化されている。
風営法は1948年に制定され、改正を繰り返してきた。以前はビリヤードや社交ダンスも規制対象だった。
なぜ、ダンスが規制されるのか。経緯と問題点を「レッツダンス署名推進委員会」のホームページで次のように解説している。
これらは、法律ができた1948年(当時は風俗営業取締法)、「カフエーとか、ダンスホールとか、喫茶店というようなところにおきまする売淫(売春のこと)、賭博というものを取締るのが目的」
(同年6月15日、衆院治安及び地方制度委員会の質疑)とされ、ダンス=風俗営業として取締・規制の対象としてきた経過があります。
60年以上前の社会情勢を今日にあてはめて規制するのは、おかしいのではないでしょうか。
同じように歌って踊ることのできるカラオケボックスが、「風俗営業」とされていないことからも、矛盾は明らかです。
(レッツダンス署名推進委員会「風営法Q&A」)
同委員会は法改正を求め、署名を呼びかけてきた。これまでの署名の呼びかけ人の一人、大友良英さんは17日に開いた集会で次のように答えている。
署名の呼びかけ人の一人で、人気ドラマ「あまちゃん」の音楽を手がける音楽家の大友良英さんは「出演したことのあるクラブに警察の手入れが入り、つぶれてしまった。踊らせることが罪になるなら自分も犯罪者。法律を変えていかなければいけない」と訴えた。(朝日新聞デジタル 「議員も踊って法改正PR 「ダンスの自由」署名15万筆」 2013/5/17 15:02 )
時事通信によると、最近は深夜や早朝に営業するクラブと近隣住民らとの間でトラブルになることもあり、摘発される無許可営業の店舗も増えているとう。また、警察庁は法改正には否定的な見解を示していると伝えている。
警察庁によると、2012年4~10月の間に騒音、酔客のけんかなどクラブに対する苦情が全国で361件あり、うち231件が無許可営業の店舗だった。10年と12年にはクラブの客が死亡する傷害致死や殺人事件も起きるなどトラブルは深刻化しており、同庁は「現実に被害が出ているのに規制を外すのは難しい」と法改正には否定的な見解を示している。(時事ドットコム 2013/05/14 15:33)
「時代遅れ」と批判が上がる風営法。改正に向けた動きは加速するのだろうか。