ケイシー・レグラー(Casey Legler)さんは、「男性モデル」である女性として、現在ファッション業界から注目を集めている。「Vogue」誌もそのひとつだ。
「Time」誌の記事によると、レグラーさんは2012年に大手モデル事務所「Ford Models」で、女性として初めて男性モデル部門で採用された。(リンク先記事によると、友人の写真家が「Muse」誌向けに男性としてレグラーさんを撮影。Ford Modelsのエージェントから注目されたという)
さらにVogue誌2013年5月号では、「ジェンダー・アジェンダ」というタイトルの記事で特集が組まれた。この記事では、ファッション界で最近目立つ「ジェンダー逆転」の傾向に焦点を当て、デザイナーやモデルたちが男女の境界を曖昧なものにしていく様子を取り上げている。
Vouge誌によると、男女の境界が曖昧なモデルには、レグラーさん以前にも、女性的な男性モデルアンドレイ・ペジックや、リー・T(Lea T)、サスキア・デ・ブロウなどがいる。
アンドレイ・ペジック。
リー・Tは生まれたときは男性とされ、2012年にタイで性転換手術を受けた。2010年からジバンシー等のモデルを務めている。
もちろんレグラーさんは、「男性モデル」が専門であるという点と、「女性モデル」としてモデル業を始めていない点で、彼女にしか当てはまらないカテゴリーに属しているといえる。彼女はVogue誌に次のように述べている。「私は偶然――生物学的なルーレットから生じた全くの幸運によって――、外見の性別から解放された生き方ができる女性として生まれたのです」
Vogue誌は今回の特集で、レグラーさんを女性的にスタイリングすることで、テーマを強調している。彼女が普段着こなしているローライズジーンズや男性用の服ではなく、翡翠色のハイネックのブラウスを身につけているのだ。撮影者はダニエル・ジャクソンだ。
レグラーさんは、Ford Modelsと契約を結んでからたったの5カ月で、Vogueにとりあげられるトップモデルに上り詰めたことになる。これは異例のことだ。
[Ellie Krupnick 日本語版:丸山佳伸/ガリレオ]