最新版「世界幸福度ランキング2016」の結果発表! G7の幸福度が壊滅する中、幸福度1位に輝いたのは?

毎年末恒例の「世界幸福度調査」の結果が発表されました。

毎年末恒例の「世界幸福度調査」(※1)の結果が発表されました。

順位は以下のとおり。

1位 コロンビア(85)

2位 サウジアラビア(82)

4位 アゼルバイジャン(81)

5位 ベトナム(80)

6位 パナマ(79)

6位 アルゼンチン(79)

8位 メキシコ(76)

9位 エクアドル(75)

10位 アイスランド(74)

10位 中国(74)

カッコ内の数字は純粋幸福度(「幸福を感じている人の比率」-「不幸を感じている人の比率」)です。調査対象国は68カ国で、純粋幸福度の平均値は56

先進7カ国(G7)のランキングはこんな感じです。

23位 カナダ(60)

28位 日本(52)

42位 アメリカ(43)

47位 ドイツ(40)

54位 イギリス(37)

57位 フランス(33)

57位 イタリア(33)

世界平均の56を超えているのはカナダのみですね。

一人あたりのGDPでは、幸福度1位のコロンビアや2位のフィジーを圧倒的に上回るG7の国々が、幸福度では散々な結果に。

マンゴーを仲良く分け合うフィジーの子どもたち ©Vuya Ratabua

じゃあ幸福度お金は無関係なのかといえば、そうとはいえません。

次のデータをみてください。所得別の純粋幸福度(世界平均)のデータです。

高所得者 70

中高所得者 68

中所得者 57

中低所得者 40

低所得者 32

その国の中で、所得が上位20%の人たちを高所得者、次の20%を中高所得者、その次の20%を中所得者、その次の20%を中低所得者、そして下位20%を低所得者として分類し、それぞれの純粋幸福度を隣に示しています。

このデータからわかるのは、世界全体の傾向として、「その国の中で所得が高い人のほうが幸福度も高い」ということです。

つまり、といえそうです。

さらに興味深いのは、「所得格差」が「幸せ」にどの程度影響するのかは、国によって様々だという点です。

たとえば、幸福度1位のコロンビアでは、

低所得者の純粋幸福度 = 77

高所得者の純粋幸福度 = 87

です。「収入が高いほうが幸福度が高い」という傾向は他国同様にありますが、その差は10しかありません。世界平均は38なので、所得格差が幸福度にほとんど影響を与えていないことがわかります。

一方、イギリスはどうでしょう?

低所得者の純粋幸福度 = -10

高所得者の純粋幸福度 = 67

です。その差は世界平均の2倍以上の77もあります。

アメリカは76、ドイツは52、フランスは48という結果でした。これらの国々では、収入の多寡が幸福度に大きな影響を与えてしまっており、また、国民全体の幸福度も低くなっています。

コロンビアやフィジーなどの幸福先進国ではその差が小さく、英米独仏などの幸福途上国ではその差が大きい。幸福途上国の低所得者はなぜそんなにも幸せを感じられないのでしょうか? 理由はいろいろあると思いますが、私が伝えたいのは以下2つです。

幸福度トップ5(コロンビア、フィジー、サウジアラビア、アゼルバイジャン、ベトナム)の低所得者の純粋幸福度平均は76です。この数値は高所得者の純粋幸福度(世界平均)70を上回る値です。

つまり、低所得者であっても十分に幸せを感じることはできるのです。

幸せはいろんなことで感じられます。

感謝したり、貢献したり、新しい経験をしたり、自然の中に身をおいたり、家族・友人との絆を大切にしたり、等々。

それらは必ずしもお金を必要とはしていません。

幸福途上国のデータをみていると、「低所得であることを、その状況以上に悲観的に感じてしまっている」ように思います。

コロンビアは誘拐殺人の発生率が世界トップランクです。

生命の危険さえリアルに感じられる環境でも、国民は世界でいちばん幸福を感じて生活をしています。

総じて先進国(特に都市部)では人間関係の希薄化が課題です。

社会活動家の湯浅誠さんはこう言います。

「とは、お金だけでなく、頼れる人間関係もなく、精神的にも疲弊し、自信を失い、自分の尊厳を守れなくなってしまう状態」と。

ここで幸福度2位のフィジーの驚愕データを見てみましょう。

低所得者の純粋幸福度 = 85

高所得者の純粋幸福度 = 81

です。なんと、低所得者のほうが高所得者よりも幸福度が高くなっています。

多くのフィジー人はお金はありませんが、人間関係は豊かです。

「貧乏」ですが「貧困」ではない。脚本家の倉本聡さんの言葉を借りれば。

貧しくても幸せなのです。

私のフィジー生活は9年目になります。

日本だとお金がなければ不安になると思いますが、フィジーだと不安を感じません。

「困難な状況になっても、だれかが助けてくれる」という確信があるからです。

つながりの力によって、「絶対になんとかなる」と常に楽観的でいることができます。

逆に「つながり」がなければ、「お金に頼るしかない」という追い詰められた気持ちになってしまいます。

村のイベントを通じても、「つながり」がどんどん強化されていく ©Jovesa Naisua

上述した①②から、幸福度を高めるためにやるべきことをまとめると、となります。

当たり前のことかもしれませんが、言うは易し行うは難し

最後に1つ、去年の幸福度1位から2位に落ちたフィジーについて追加情報を。

今回の調査は去年同様、5段階評価でした。

5 とても幸せ

4 幸せ

3 どちらでもない

2 不幸せ

1 とても不幸せ

「幸せな人(5か4を選んだ人)」の割合だと、コロンビア87%、フィジー86%、とコロンビアに一歩届きませんが、「とても幸せな人(5を選んだ人)」の割合だと、フィジー47%、コロンビア27%、とコロンビアに圧勝しています。

世界平均でも5を選んだ人は13%程度(日本は9%)しかおらず、フィジーはその3.5倍以上で世界一です。

つまり、なのです。 フィジー人の名誉のためにも、どうしてもこれを最後に伝えておきたくて♪

※1: 2015年12月、米国の世論調査会社ギャラップ・インターナショナルとWIN (Worldwide Independent Network of Market Research) による共同調査。

ワースト3は、イラク(-12)、チュニジア(7)、ギリシア(9)でした。

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