文部科学省から、平成26年度の日本の英語力調査結果(高校3年生)速報が出た。
調査結果は驚愕の一言だ。
これは英語力のあるなしとか、そういう議論は超越している。
日本の英語教育は、完全に大失敗という結果だ。
この調査は高校3年生7万人を対象にした英語力調査だ。
文科省の目標はグローバル人材育成に向けて、成果指標として高校卒業時に英検準2級~2級程度以上だ。
英検のサイトを見ると、下記の通り、高校卒業程度のレベルは英検2級となっている。
グローバル人材育成を目指す日本の教育目標。
その目標が、高校で学ぶ英語の卒業程度になっていないこと自体「???」だ。
まあこれは後でみるように、2級とかとても言える状態ではないので、せめて準2級程度としよう、という位のものなのだろう。
(参照:英検 各級の目安)
英語力を測る指標としてCEFRが使われているが、わかりやすいようにそれに対応する英検レベルで、見ていくことにしよう。
●英検2級程度の実力を持つ高3生は2%しかいない
高校卒業程度以上の英語力をもつ高校生が2%。
2%!!!!!
学校で学ぶことで、2%の人しか身につかない。
結果が2%しか出ていない。
こんな大失敗があるだろうか?
ここまで大失敗だと、教えるが上手い下手とかではなく、教えること自体が無駄だ。
このスコア分布の、B2が英検2級相当、B1が英検準2級相当だ。
これによると英検準2級相当の人も、「読む・聞く」で25%程度、「書く・話す」では13%程度しかいない。
●英語が好きでない高校生は60%
高校生の大多数がA1レベルで、そこが80%を占める訳だが、その65%は英語が好きでない。
高校の授業で習うかもしれないが、2%の人しか習得できないできない、訳わからない科目を好きになる方が難しい。
まとめると日本の英語教育は、
・勉強しても話せない、理解できない
・理解できないけど、苦手意識や嫌い意識のイメージだけが強くなる
という負の螺旋を廻っている。
グローバル人材育成の目標に対して、2%は衝撃的過ぎる。
こんなレポートが平然と出ることをみて、目標を掲げてもその結果に責任を持たない世界の恐ろしさを垣間見た気がする。
アリヴェデルチッ!
(2016年2月17日「yubu23.com」より転載)