以前、何かの本で読んだが、死ぬ時にあたり、人生の後悔の最も多いパターンは、
「あの時●●しておけば良かった」
というものらしい。
やった悔いより、やらぬ悔いだ。
世の中では、「好きなことに挑戦した方がいい」、というポジティブ言説が溢れている。
私も、色々と挑戦する人生の方が楽しいと思う。
しかし、挑戦とは、自由に生きるとは、そんな簡単なものなのだろうか。
挑戦といっても、環境もとても大切だ。
実は、何か挑戦するにあたり、現在は大チャンスの時代だ。
その意味で、現在は3つの大変幸せな環境に恵まれている。
1)日本人という幸せ
日本に生まれた日本人だと、当然過ぎてわからないが、これは圧倒的有利だ。
日本人であるというだけで、世界の多くの地域と比較して、圧倒的に生活は豊かだ。
蛇口をひねったらきれいな水が出てくること。電気をつけたら電気が届くこと。停電しないこと。圧倒的に発達した公共交通機関があること。
そのインフラレベルは世界一だ。
パスポートを持ったら、ほぼどこの国にでも行ける。
日本人なら今や当たり前に感じるかもしれないが、他国に行くことが非常に難しい国はたくさんある。
現在円安とはいえ、通貨の価値も高い。日本から海外に行って、圧倒的に物価が高くて何も買えない、という状況はない。
治安だって、圧倒的にいい。
こんなに暮らしやすい国があるだろうか。
政治は3流と言われるが、皆の満足度が高いので、一般的に国民は政治に関心を持たないし、投票しない。
政治が自分の生き死に関わるならば、もっと一生懸命政治に関わるのは当然だ。
言論の自由など、一般的な権利や自由も充実している。
言いたいことが自由に言えない国は今もたくさんあるし、そのために命をかけている人もたくさんいる。
私達の世代は忘れがちだが、日本でもこうした権利や自由は、先祖が血を流した結果、もたらされたものだ。
もちろん問題はたくさんあるが、日本人であることは、圧倒的に有利なのだ。
2)現在という幸せ
今の時代に生まれたことも、圧倒的な幸せだ。
日本に生まれても、戦国時代に生まれたら、どうであろうか。
日本中で戦争をやっている中で、好きなこと、自分の道を追求するなんていう選択肢があっただろうか。
江戸時代に生まれたら、士農工商でその枠組みから、外れて生きることができただろうか。
女性もこういう時代に、自分なりのキャリアを求めて生きるということができただろうか。
失敗しても本当に切腹させられることはない。
日本・世界の歴史の中で、個人が色々な選択肢を持てる時代になったのは、本当に短い。
世界を飛び回る移動コストや時間、リスクだって、圧倒的に減った。
この時代に生まれてきたことは本当に幸せなことだ。
3)個の力で勝負ができる大変化時代の幸せ
そんな現在も大変化の時代だ。金融経済の変化が激しい。お金の動きが非常に早くて強い。
実際のお金以外の投機マネーが割合が高く、経済に大きな影響を与えている。
人口も世界では大爆発中だ。ここ200,300年の人口爆発も、有史以来初めての大爆発っぷりだ。
逆に日本では、圧倒的に人口減少と高齢化社会を迎える。人口も大変化中だ。
そしてインターネット。
世界はつながりやすくなり、そのコミュニケーションコストも劇的に下がった。
10年ちょっと前まで国際恋愛をするにしても、手紙と、かなり割高の国際電話だけだったなんて、今やとても信じられないだろう。
そのインターネットの本質は個人のエンパワーメントだ。
ツイッターなどで圧倒的な影響力を持つ「個人」が、たくさん誕生するようになった。
これほど「個」で活躍できる時代はない。
本などを書くのも、昔はビジネスマンでいえば、大企業の社長や世界的なコンサルタントなど、わかりやすい「抜群」な人ばかりだった。
それが今はどうか。若いサラリーマンでも、ベストセラー作家はたくさんいる。
むしろツイッターやブログで人気者であれば、本を書いても人気者という世界だ。
現在は大変化の時代だ。そして変化はチャンスだ。
最後に、こうした3つの幸せが居心地がいいのも事実だ。
適当に働いて、適当に頑張っていれば、それなりに幸せに暮らせる。
3つの幸せ過ぎる環境を噛みしめて、どう生きるかは結局私達次第なのだ。
アリヴェデルチッ!
(2015年1月4日「yubu23.com」より転載)