"非日常"の障害物レース『リーボック スパルタンレース』に参加してみた

世界最高峰の障害物レース「リーボック スパルタンレース」。日本で初めて開催されました。

いよいよ日本に上陸した世界最高峰の障害物レース『リーボック スパルタンレース』。5月27日に『U.S. Army Sagami General Depot(神奈川県・相模総合補給廠)』で開催された同レースに参加してきたので、早速、レポートをしたいとおもいます。とにかく、"リアルキン肉マン"がたくさん集うレースでした......。

スパルタンレースの開催地はU.S. Army Sagami General Depot

同レースの開催地となったのは、神奈川県相模原市中央区にある在日アメリカ陸軍の補給施設。最寄駅の相模原に降り立つと、そこにはこの障害物レースに挑むために日々、トレーニングをしてきたであろう、引き締まった体の参加者がワンサカ......。先に駅に着いた友人から「駅前はキン肉マンだらけや......」とのLINEが届いていましたが、納得。自信に満ちた表情を浮かべる参加者と共に会場に向かいます。

U.S. Army Sagami General Depotに入るには、身分証明証の提示や荷物チェック、金属探知機でのチェックなど、なかなかセキュリティが厳しいのですが、周囲にアメリカ人がたくさんおり、また、参加者も外国人が多いので、海外のレースに参加した気分を味わえました。

今回、参加した「スパルタン・スプリント」というコースは、距離が約7kmあり、そのうち、障害物数が20~23個まち構えています。当日までどんな障害物があるのかが明かされないのがポイント。 このコースが、スパルタンレースの中で最も短いものとされており、スパルタンレース初挑戦者は、まずはこちらから。

そもそも、なぜこのような大会が生まれたのか、「日本では健康志向の高まりを受け、ランニング・ウォーキング・サイクリング等のパーソナルスポーツ市場が拡大していま す。また、最近は男性だけでなく女性の間でも体を鍛えることや高強度のトレーニングが一つのトレンドになるなど、日 本人のフィットネスやトレーニングへの意識の高まり、変化が感じられます。このような日本のフィットネス、トレーニング市 場の変化を背景に、日本でのスパルタンレースの開催が実現しました」とオフィシャルが発表しています。

会場にはステージが設定されており、そこで様々なイベントが行われます。ランナーにとって準備運動は大切。観客を交えて、皆で準備運動。子供たちもこの通りノリノリです。

「スパルタン・スプリント」とはどんなレース?

レースは15分間隔でスタートし、約250人が同時に走ります。マイクを持ったMCが選手を煽るスタイルが、普段のマラソンレースとは異なり新鮮。掛け声を選手にもかけさせ、選手たちが声をあげながらレースがスタートします。

まずは、いくつかの壁を乗り越えたり、その下をくぐったり、または、壁に空いている穴をすり抜けたりと、ランニングとは異なる能力が問われるということが、スタート直後に感じられます。

上半身をうまくって使って、次の障害を目指します。ちなみに、各障害にはルールが設定されており、クリアできなかった場合は、バーピーを30回することで、次に進めます。難しい障害を無理してでもクリアするか、もしくは、早めの判断でバーピーを選ぶかは、選手の判断に任されます。

ただ、このバーピー30回は確実に選手の体力を奪っていきます。

こちらもまた、非日常な障害が。泥水の上に有刺鉄線が張られた障害で、ここをほふく前進や横に転がりながらクリアするのです。

泥水に入ることに躊躇している場合ではありません。これが、スパルタンレースなのですから。泥水が目に入ったり、口に入ったりしても前に進む。これもまた、スパルタンレースならではの体験ですよね。

ウエアやシューズが泥だけになっても気にせず、前に進みましょう。チームで参加していると、仲間の健闘をたたえたくなるシーンでもあります。

途中、アスファルトのコースもあります。走り慣れた環境でもあるので、ここでタイムを削りたいところですよね。皆、スピードアップして、走り抜けていきます。

女性ランナーも頑張ります。

こちらは重りを指定の場所まで運ぶもの。実際に男性用のものを持ち上げようとしたのですが、筆者は地上から浮かすこともできませんでした。この方々がいかに凄いのか、この障害に挑戦したランナーは皆、わかるかと思います。

こちらもまた、重さが体をいじめる障害。バケツの中に石を入れ、指定の場所まで運ぶのです。これがまたキツい。腰への負担が大きく、筆者は何度も休憩しながら前に進みました。

微妙な角度のある壁がまたいやらしい。背の高いランナーは手でぶら下がって一気に登りきりますが、背の高くないランナーは、足を上手に使って、この壁を乗り越えていました。

さて、こちらの障害は紐を引っ張ることで、重りが上がっていく仕組みになっているのですが、ピクリとも動かないほどに重たい。。クリアできずに、バーピーです。

他にも次々と障害が登場する同レース。

何が言いたいかというと、普段のランニングのトレーニングだけだと、なかなか障害をクリアできずに、バーピーをする機会ばかりが多くなり、下半身への負担があまりに大きいのです。

しかし、いざ、ゴールするとこの通り、達成感ある表情があちこちに。

そこはフルマラソンと同じではありますが、やはり、体の疲れ方が異なるように感じました。総合能力が問われるのが、このスパルタンレースの特徴ではないでしょうか。また、国際色豊かで、常に英語が聞こえてくるレースは、まさしく非日常でした。

その他にも様々なタイプの「スパルタン」

今回のスパルタン・スプリント以外にも様々なコースがあるようです。

■スパルタン スーパー:約13キロ、25以上の障害物

フィットネスに打ち込み、どんな状況でも自分を追い込み限界を超えていくタフアスリート向きなのがスパルタン・スーパー。13キロ以上の険しい道に25以上の障害物を配置したコースが、スパルタンたちの行く手を阻みます。スパルタン・スーパーは、スパルタン・トリフェクタ(スプリント、スーパー、ビースト)の中で2番目に過酷なレース。自身の限界に全力で挑み、スパルタン・ビーストに向けてさらに自分を高めたいアスリートに向けたレースです。

■スパルタン ビースト:約20キロ、30以上の障害物

20キロの道に30以上の障害物が待ち構えるスパルタン・ビーストでは、筋力、持久力、揺るがない決意が試されます。予測不可能かつ巧みに設計されたコースや障害物の数々は、肉体・精神ともに追い込み、自身の限界を打ち破らなければ達成することのできない非常に過酷なレースです。

■スタジアム シリーズ

スパルタンレースにもっと参加したい...、レーススケジュールを調整したいがどこで参加すればいいかわからない...、泥まみれになりたくない...。

レース参加者にとって屋外のスパルタンレースがベストとは限りません。持久系の運動経験があまりない人や、長距離走が得意ではないという人もいます。逆に、屋外トレーニングに慣れているクロスフィッターやパルクールアスリートで自分自身の根性を試したいという人もいます。スパルタンレースの参加者のニーズはさまざまです。

そんなニーズを適えるのが"スタジアムレースシリーズ"。スパルタン・スタジアム・スプリントは、階段ダッシュやインドアトラックレース、クロスフィットの持久系ワークアウトを組み合わせたレース構成になっていて、ランニングパートでは狭い廊下や急カーブから成るコースを全力でダッシュ、どこまでも続く長い階段を駆け上がるには筋力と瞬発的な動作が求められます。

なかなか想像するだけでゾッとしてしまいますが、普段からトレーニングしているランナーには刺さるのはないでしょうか。このスパルタンシリーズは、今年の秋にも開催されるので、気になるランナーはこちらを要チェックです。

※同記事は『Runtrip Magazine』に掲載されたものを加筆・編集したものです。

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