今年10月1日、東海道新幹線が開業50周年を迎えました。当時、「夢の超特急」プロジェクトと呼ばれた新幹線建設が実は、日本が戦後、世界銀行から支援を受けて行なったプロジェクトの1つだという事をご存知ですか?
1961年5月1日、世界銀行は東海道新幹線の建設プロジェクト(総工費3,800億円)に対し、8千万ドルを貸し出すことを決定しました。東海道新幹線は東京、横浜、名古屋、京都、大阪を結ぶおよそ500キロメートルの路線で、当時としては世界最速の長距離鉄道でした。新幹線の建設は、日本政府がすでに着手していた大規模な鉄道開発計画の一角をなすものでした。
日本が世界銀行から借入を受けたプロジェクトには、東海道新幹線の他にも、東名高速、黒部ダム、愛知用水など、日本の戦後を代表するプロジェクトが並んでいます。日本は1951年にサンフランシスコ平和条約によって主権を回復した翌年の1952年、世界銀行に加盟しました。今から62年前のことです。世界銀行に加盟した日本は、戦後復興に本格的に取り組み始めます。最初の世銀貸出は、1953年に調印された火力発電プロジェクトに対するものでした。その後1950年代は、主に鉄鋼、自動車、造船、ダム建設を含めた電力開発に向けられ、1960年代に入ると、経済の発展に合わせて輸送セクターが主な対象となりました。東京オリンピックの年の1964年に開通した東海道新幹線はその代表例です。
1966年、日本は最後の借入契約に調印し、世銀の「卒業国」となりました。日本が世銀から借入れた総額はおよそ8億6,300万ドル、31件となり、返済を完了したのは1990年のことです。世界銀行からの資金を基礎として著しい復興と躍進を遂げた日本は現在、世界銀行の第二位の出資国として、世界中の途上国の経済成長を支援しています。
・世界銀行と日本のパートナーシップ(動画)
・世界銀行東京事務所