PRESENTED BY エン・ジャパン

女性管理職を増やすためにはどうすればいいのか......男性部長はこう考えた

「女性管理職を増やすための取り組みや、管理職への挑戦のさせ方・サポート体制」という観点で、エン・ジャパンの馬場さんに話を聞いた。
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政府の「女性活躍推進」「2020年までに指導的地位女性の登用を30%に」という働きかけから、多くの企業が女性の活躍を推進しています。しかし、かけ声だけで終わっているケースもあり、なかなか浸透していないようです。

そこで、エン・ジャパン内で女性管理職の登用がダントツに多い部署の部長である馬場さんから「女性管理職を増やすための取り組みや、管理職への挑戦のさせ方・サポート体制」という観点でお話をうかがいました。(インタビュー中の管理職とはリーダー・マネージャーを意味しています)

<Profile>

2002年にエン・ジャパンへ中途で入社。営業のリーダー・マネージャー・部長等を歴任。メンバーの自主性を引き出し、特性を活かすマネジメントに定評がある。実は一度他社へ転職をして、2014年に出戻り入社をした過去も。プライベートでは4人の子供(男3人、女の子1人)のパパ。

-馬場さんが率いる営業部門では、リーダーの半数近くが女性ということですが、女性管理職を増やすキッカケや、行なっている取り組みを教えてください。

女性が営業を続けたいと思える環境を準備したいと考えたのがキッカケです。というのも、女性ハイパフォーマーはこれまで当社にもたくさんいました。しかし、しばらくすると、職種転換してしまうんですよね。営業だと働き続けられないという先入観があったのかもしれません。だからこそ、事例を作ることにしました。キャリアの選択肢を増やすことが、部長である私の役目だと考えているので。

具体的には、色々なポジションを提示して、“メンバーが自分で選んで挑戦してみて、その先のキャリアを自分で選べる”状態を目指しています。

経験してから、自分の意思で、「マネージャーとして組織をまとめたい」「リーダーも楽しかったけど、メンバーに戻ってハイパフォーマーとして活躍したい」「やはり他の職種に挑戦したい」って選択ができたほうが前向きに仕事と向き合えると思うんです。

女性管理職が多い組織にしたいという理由でリーダーやマネージャーを増やしても、本人が「やってみたい」「やってよかった」と言わないと意味がないですからね。

-女性は管理職への打診を断りがちと聞きますが、薦めるポイントはありますか?

“期待すること”ですね。女性は、できるようになったことに納まろうとする傾向が強いと感じています。それはそれでいいですが、個人的にそれではもったいないなと思って。次に目指せる選択肢のひとつとして「あなたの特性が活かせる、こういう道もあるよ」と提案するようにしています。

-女性をマネジメントする上で気をつけていることはありますか?

何かを伝えるときに、背景・目的をしっかり伝えて、理解・納得してもらうことですね。必要に応じて、充分な時間と場所をとって伝えています。

女性は自分で目的を理解できれば自走できる方が多いので、安心して任せることができるんです。逆に、納得しないと動きませんが(笑)。

あとは、密にコミュニケーションとること。何か不公平なことがあった場合、その事実を把握して解消させないと不満がたまってしまうので。早めに相談してもらえる関係性になっておくことを心がけています。

-女性管理職の弱みはありますか?

論理的思考力が弱いことですね。女性は人との関係性を作ることが上手いので、極論を言うと論理性を鍛えなくても営業成績が上がりやすい。ただキャリアの選択肢を広げるためには、必須。相手に説明したり、行動にうつしたりしてもらわないといけないので。今は、このスキルを高めている途中です。

-どういう指導をされていますか?

目的を伝えたうえで「これをメンバーにどう説明する?」というトレーニングを行なっています。アウトプットし続けることで論理性は鍛えられるので。

あとは、どんなときでも「どうすればいいですか」という質問の仕方ではなく、「自分はこう思うから、こうしたい」という意思を持った上で質問するように指導しています。自分で考える力がないと、マネジメントもうまくいきません。

-メンタルケアはしているんですか?

責任感が強く、業績が未達成になりそうなときに自分のせいだと抱え込んでしまう女性が多いので、早めに声をかけて、ヘルプを出してもらえるようにしています。自分で受注してなんとかしようとする女性リーダーも多いですが、それは根本解決にはなりませんから。少しずつできることを増やして、自信をつけさせるようにしています。

-女性社員の意識に何か変化はありましたか?

「昔は長く働くイメージが持てなかったけど、最近は考えられるようになった」という人が増えました。

これは、キャリアの選択肢が増えたことだけでなく、生産性を高めるアイデアを取り入れたことで、業務をクオンティティ(量)ではなくクオリティ(質)でカバーできるようになったことも影響していると思います。

たとえば私の部署では、「集中したいときには時間を決めてイヤホン装着OK」「集中するときはまわりと協力して外線を取らなくてもいい」「外でも仕事ができるようにWi-Fiを支給」「社内SNSの活用」「ミーティングを減らす」「固定電話ではなく社用携帯のみを利用する」「フルフレックスにする」など、自分のアイデアだけでなく、メンバーからのアイデアをもとに様々な観点で新しい取り組みを行なっているんです。

余裕が生まれれば、「今より忙しくなりそう」「自分にはできないかも」という発想ではなく、自らキャリアを創出したり、選択肢を広める提案も受け入れたりしやすくなると思います。

-女性管理職を目指したいというメンバーがもっと増えますかね?

増えたらいいですね。部署にいる女性たちはちょうど20代後半を向かえています。いわゆる結婚適齢期で、結婚・出産など、自分の意思だけでは決められない選択肢がでてくる時期。なので、この先の人生をどう歩んでいきたいかを考えてもらっているところです。

できれば、「こっちの環境で働くのもいいけど、こっちの環境もいい」と言えるよう、産休に入る前に選択肢を増やしておいてほしいですね。働く意欲に差が出てきますから。

-これから女性管理職を増やす取り組みをする方へアドバイスをお願いします。

やってみて気づくことが多いので、まずは“管理職を増やす”という意思をもつことが大事です。そして、リーダーやマネージャーだけというレールの敷き方・見せ方をするのではなく、あくまで選択肢の一つとして本人に選ばせると、責任をもって挑戦してくれるのではないでしょうか。

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管理職を増やすことが目的ではなくて、キャリアの選択肢を広げる手段の一つとしてチャレンジさせる環境を提供する。そして、本人の意思で挑戦させて、その上で選べるようにしておいたほうがいい。というのが馬場さんの持論。

「自分には管理職は向いていないから」「できないと思うから」と、尻込みする人も多いと聞きます。そんなとき、「キャリアの選択肢を広げるために、やってみてから選んでいいよ」と、背中を押してもらえたら挑戦してみようという女性も増えるのではないでしょうか。

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