“某ラグジュアリーブランドのワイシャツ:28,000円
ファクトリエのワイシャツ:9,500円
「この2つは日本の同じ工場で作られている」
(つまり、3万と1万のシャツのクオリティに「違い」はないという)
この事実に会場の皆さんは驚かれていました。
これは、ITベンチャーによる新サービスのプレゼン大会「Launch Pad」に先日登壇させていただいた際の第一声です。
「Launch Pad」は、ベンチャー企業の登竜門であり、IT業界では一番知名度と実績の高いイベント「Infinity Ventures Summit」、通称「IVS」のメインコンテンツ。過去にはこの「Launch Pad」をきっかけに、10億円以上の資金を調達して飛躍的な成長を遂げた企業も出ているイベントです。
私は「ファクトリエ」について発表させていただき、14社中の4位に入賞させていただくことができました。
■IT・先端技術を駆使した新サービスが軒を連ねる中・・・
革新的な技術やITを駆使したサービスがどんどん発表される中、「ファクトリエ」はというと・・・・、誰が見てもアナログなビジネスモデルです(笑)。
泥臭く全国の工場を訪問し、その中から世界に通用する工場と手を組む。
高品質であってもやはりデザインが良くなければならないので、デザインについて何十回も打合せして、雑誌編集長や某ファッションブランドのディレクターの方にも意見をもらいながら、こだわりを詰め込んでいく。
中間業者を除いたことで、世界の一流ブランドのネクタイやポロシャツ、ワイシャツと同じクオリティのアイテムを、通常の流通構造の3分の1の価格で提供しているものの、最先端の技術やITを駆使しているわけではありません。
そんな「ファクトリエ」が4位入賞を果たせたことの意味を、イベント終了後、工場に赴く飛行機の中で考えていました。
■モノの価値ってなんだろ?ということ
共感を得たのはきっと、
「ネットを使って本質的なモノの価値を見いだすことの大事さ」
この部分何じゃないかと思います。
つまり、
「ふだん着ているシャツは、あのブランドの“タグ”がついているから、あんなに高いけど、価値に見合う本当の価格っていくらなんだろう」
ここについて問題提起できたんじゃないか、共感を得たんじゃないかと。
・従来の流通構造を気にせず、本当の価値(本質)に焦点を当てる
・誰でもどこでも買えるようにリアルではなくネットで販売する
一つ加えるなら、日本人としてはメイドインジャパンに多少なり「誇り」があって、それがいま失われようとしていることへの“危機感”、そしてそこからくる新しいきっかけへの“期待感”もあったのではないかと思います。
いずれにせよ、余計な部分をそぎ落とした非常にシンプルなビジネスによって、「本質の大事さ」を改めて感じていただけるきっかけになった気がします。
皆さんも一度、お気に入りの服の“本当の価値とは何か”考えてみると面白いかもしれませんね。