現在港区や中央区など、都内4区でバラバラに実施している「自転車シェアリング」事業が、区をまたいで広域的に利用できるようになる見込みとなりました。
この「自転車シェアリング」は、登録した会員が共同で自転車を利用できる施策で、駅前や商業施設などに設けられた比較的小規模なポート(駐輪場)で自転車を借り、利用した後は別のポートにも返却できる仕組みです。
私が議員になったのは2011年5月。港区に勤める人、働く人、学ぶ人が集まって、みんなで港区を良くするアイディアを出し合う場「みなトーク」を繰り返す中で出てきたこの施策は、その年の9月、議会ではじめて提案しました。
参考までに、以下、当時の議事録から引用します。
私は、交通手段として、環境にやさしい自転車の利用を促進し、違法駐輪を減らすことにつながるバイクシェアリングという仕組みの導入の可能性についてお伺いします。
自転車共有の仕組み「バイクシェアリング」は、レンタルサイクルとは違い、貸し出し拠点と返却拠点が別々でも返却可能であり、駐輪拠点ごとに乗り捨てるシステムです。これまでも国内の幾つかの都市で試みられています。名古屋市が実施した「名チャリ」では、2009年からの1年間で3万人以上の登録者を記録しました。また、環境省の「都市型コミュニティサイクル社会実験」のモデル都市となった札幌市と東京丸の内の周辺地区でもNTTドコモとの連携などにより、「おサイフケータイ」を利用したシステムを採用し、短期間ながら成果を上げています。
国内では、まだ実験段階の箇所も多いですが、パリでは約2万台、約1,700カ所の拠点を誇るなど、世界的に見れば、成功事例は多くあり、欧州の観光主要都市では主流になりつつあります。観光地や地方では主に来街者向け、都心部では地域の人や在勤者向けに展開しています。ニューヨーク市では来年の夏より1万台、約600拠点で導入する計画も始まりました。
これを港区で社会実験的に始めるのはいかがでしょうか。東京の中心であり、昼間人口が多い、観光客が多い、まち同士が近接しているという特性は、どれをとってもバイクシェアリングが有効であると感じます。違法駐輪が今問題になっていますが、駐輪場の確保と並行して、このような取り組みを始めれば、将来的には自転車の絶対数を減らすことができます。事業者へ委託するなどして屋外広告の掲載権で収益化することができれば、事業としての成立も可能です。日本の中心から新しい自転車の利用を提案し定着させることで、エコな意識を持つ人々にも訴求することができれば、大変有意義だと考えられます。自転車違法駐輪を減らし、将来的に自転車専用レーンなども整備していけば、人と自転車が共存できるまちになります。このような取り組みに対しての考えをお聞かせください。
区の境を越えた、広域での連携に至ったことは、すごく感慨深いです。
放置自転車を減らし、環境にもやさしい「自転車シェアリング」の取り組みが広がり、さらにこれを一つのツールとして東京オリンピック・パラリンピック時にもたくさんの観光客をお迎えできれば嬉しいです。