台風6号は今夜遅くから明日未明に、温帯低気圧にかわりつつ本州にかなり接近、上陸の恐れ。温帯低気圧に変わっても、13日は非常に強い風。台風の後は急な暑さにも注意。
「台風が温帯低気圧に変わる」とは、どういうこと?
台風6号は、屋久島の南を、北東へ進んでいます。
鹿児島県 奄美市 笠利では、12日10時半頃に、最大瞬間風速30.9メートルを観測しました。
台風6号は、この後、日本の南の海上を北東へ進む予想です。
今夜12日遅くから明日13日の未明にかけて、温帯低気圧に変わりつつ、近畿地方から関東甲信地方にかなり接近し、上陸する恐れがあります。
これまで、台風のままで関東付近まで来た5月の台風は、1951年以降では、2004年2号、1980年3号、1965年6号、1953年2号だけ。
台風のまま、関東付近までくれば、5月としては11年ぶりとなります。
【台風と温帯低気圧の違い】
「台風が温帯低気圧に変わると、弱まったので安心!」と思う方もいらっしゃるのでは?
台風とは、熱帯低気圧が発達して、中心の風速が、およそ毎秒17メートル以上になったものです。
もともと、暖かい海で発生しているので、大量の水蒸気をエネルギー源としています。
一方、温帯低気圧とは、北の冷たい空気と、南の暖かい空気が混ざろうとして、渦を巻くことで発生するもの。
台風が北上して、日本付近へ進んでくると、北からの冷たい空気を引き込むので、「台風→温帯低気圧」と変わるのです。
でも、もとは台風だっただけに、温帯低気圧に変わっても油断はできません。
南の海から、雨の元となる湿った空気を運んでくるので、大雨になる恐れもありますし、
温帯低気圧に変わった後でも、非常に強い風が吹く恐れがあります。
風や雨の予想
【明日13日にかけて予想される最大瞬間風速】
奄美地方 45メートル
九州南部、近畿地方、東海地方、関東甲信地方、伊豆諸島 35メートル
あすにかけて予想される風の強さは、上記の通り。
最大瞬間風速が45メートルといえば、屋外での行動は極めて危険なレベル。
走行中のトラックが横転するほどの風です。
関東甲信地方などで予想されている最大瞬間風速35メートルでも、油断はできません。
何かにつかまっていないと立っていられないほどの風で、看板が落下したり、道路標識が傾くほどの風です。
天気が回復しても、風の強い状態は残りますので、車の運転や交通機関の乱れなどに、ご注意下さい。
【明日13日12時までの24時間に予想される雨量】いずれも多い所
東海地方 180ミリ
近畿地方 150ミリ
九州南部 120ミリ
四国地方、関東甲信地方 100ミリ
台風が湿った空気を運んでくるので、台風が近づく前から雨の降る量が増えそうです。
土砂災害や低い土地の浸水、川の増水にも、注意が必要です。
また、大気の状態が非常に不安定になりますので、落雷や竜巻などの突風にも、お気を付け下さい。
台風6号の後は、東京で今年初の「真夏日」か?
また、台風6号は、暖かい空気を運んでくるため、通過後は一気に気温が上がります。
東京の10日間予報(下記)を見てみますと...
13日~15日の最高気温は30度と、今年初めて「真夏日」になる予想です。
特に、15日は、湿度も高いので、かなりムシムシと感じられるでしょう。
東京の最高気温が30度とは、7月下旬並みの暑さです。
まだ、暑さに体が慣れていない時期ですので、体調を崩さないようにして下さい。
南の海上には、次の台風
そして、日本のずっと南の海上に目を向けますと...
台風7号があって、西よりに進んでいます。
今のところ、台風6号を追いかけるような進路が予想されていて、今後の動きに目が離せません。
来週は、台風7号の最新情報も、チェックして下さい。
【関連リンク】
気象予報士
福島県会津生まれ。
東京での大学生活を経て、テレビ山梨のアナウンサーに。
ニュースや中継、県政番組、音楽番組、グルメコーナーなど、幅広く経験しました。
フリーに転身後、大好きな気象を学び、気象予報士の資格を取得。
『OAに強い気象予報士』として
テレビ山梨「ニュースの星」気象キャスターや
NHKラジオ「ジャーナル」気象キャスターを務め、
フジテレビで気象の解説をしたり、
文化放送やニッポン放送、JFNなどでも、天気を伝えてきました。
現在は、テレビやラジオの天気原稿を書いたり、
新聞の天気概況も担当しています。
「どう伝えるか」ではなく
「あなたに、どう伝わるか」を大切にしながら
日々の天気を伝えている私が、
『あなたのお抱え気象予報士』になれれば、幸いです。