部分的にはすでに報じられていた内容が公式に確認された。今朝(米国時間5/24)、Twitterは「ツイートに含まれる文字数は140以内」という制限を厳格に適用することを止めると発表した。Twitterによれば、新しいユーザーを獲得するためにサービスをさらに使いやすくする変更も準備中だという。
今回のバージョンアップに伴い、画像、ビデオなど添付のメディア、返信の@ユーザー名は140文字制限に含まれなくなる。ただしユーザーが入力したURL文字列は依然としてカウントされる。これはTwitterの文字数カウンターの本質に関わる問題であるため変更しなかったのだろう。
つまりTwitterのシステムではユーザーが新たなツイートを入力するインターフェイスに含まれる文字はカウントされる。URL文字列はカウントされるが、ビデオ、写真、GIF、他のツイートの引用などの添付は文字数としてカウントされないとしたのはそのような背景のためだ。
一方で、@メンションがユーザーが入力する文字列であったにもかかわらずカウントされないこととなったのは、Twitterをグループ・チャットのメディアとして普及させたいという同社の戦略によるものと思われる。
ツイートがスレッド化して会話が続き、多数のメンバーが参加するようになると、宛先に全員を含めるための文字列がどんどん長くなる。ある時点で140文字の制限を回避するために宛先を切り捨てる(@ユーザー名に含めない)必要が出てくる。予定されているバージョンアップではこの点が改良される。
@ユーザー名入力は本文から外され、別個のインターフェイスを用いることになる。
Twitterのルールは新しいユーザーには複雑でわかりにくいとして評判が悪かった。これは140文字の制限だけでなく、ツイートとして表示されるいろいろな要素にそれぞれ不透明な印象を与えるルールがつきまとっていることにもよっていた。熟練したTwitterユーザーになるためには、不合理な制限を回避して必要なことをツイートに表示させるための裏ワザを多数習得する必要があった。
こうした「ハッキング」の必要を無くすための作業が準備されている。たとえば、これまで特定の相手への返信をフォロワー全員に公開するためには@マークの直前にピリオドを打つ必要があった(.@ユーザー名)。これはTwitterのシステムが@ユーザー名で始まるツイートは自動的にその相手のみに公開される仕様になっていたためだ。
この仕組が設けられたのは、もともとタイムラインに個人同士の会話が多数表示されてわかりにくくならないようにするためだった。しかし結局のところ無駄なルールだったと判明した。自分が直接メンションされていなくても、他のユーザー同士の会話は十分に興味深く、読むに値することが往々にしてある。これはTwtterが巨大な公開の会話プラットフォームであるという本質からくるもので、ルールで変えることは不可能だった。
全員に会話を読んでもらいたい場合、ユーザーは@マークの前にピリオドを打つようになり、これが 非公式なルールになった。こうしたことのために、 新しいユーザーにはTwitterには「隠れたルールが多数ある」ように感じられ、使いにくいと思わせる原因となっていた。
過去にどんな背景があったにせよ、Twitterはわかりにくいルールの撤廃に向けて精力的に作業を進めている。新しいユーザーは以前のTwitterよりはるかに直感的にシステムを使いこなすことができるようになるだろう。ユーザー数が頭打ちになっているというTwitter最大の問題の解決にも役立つはずだ。
Twitterの共同ファウンダー、CEOのジャック・ドーシーは声明で「われわれの今年の最大の優先事項はシステムをシンプル化し、使いやすくすることだ。...Twitterの本来の強みである『今何が起きているのか』をライブの会話でシンプルに伝える能力〔に立ち戻ること〕に全力を集中する」と述べた。
Twitterでは「この変更によって、今後、@ユーザー名で始まるツイートは全てのフォロワーに公開される」と述べている。またTwitterはRTすること自体が広い範囲にツイートを公開する意図があるものと考えられるとしている。
さらにもう一つの変更は、自分自身の以前のツイートをRTないし引用できるようになったことだ(これまでは不可能だった)。この制限は自分が書い複雑なコンテツを拡散するためのプラットフォームとしてTwitterを利用するユーザーには苛立たしい制限と感じられていた。
以前投稿したツイートを誰もが読んでいるわけではない。多くのユーザーは以前ツイートした内容を再度フォロワーの目に触れるようにしたいと考える。ところがTwitterにはそういう仕組がなかった。もちろん、この制限はスパムが繰り返し表示されるのを防ぐというメリットはあった。しかし正当な利用の障害になる場合がメリットを上回ったようだ。【略】 Twitterでは新たに自分のツイートに再投稿ボタンが表示されるようにするので、自己ツイートの引用は非常に簡単になった。
Twitterが実際のアップデートに先立って変更の内容を公表したのはデベロッパーにアプリの修正の余裕を与えるためだという。
Twitterのプラットフォームを利用しているアプリ、サービスは無数に存在する。今回の変更はTwitterのREST、ストリーミングAPI、広告API、Gnip、Display利用プロダクトに影響を与える。またデスクトップやモバイルでツイートやタイムラインをエンベッド表示させるためのFabric Kitも変更されることになるとTwitterは述べている。
Twitterはこれらの変更が公開されるスケジュールについては「数ヶ月以内」という以上に詳しく明かしていない。
Twitterの新ルールに関してはわれわれのJosh Constine記者による次の記事も参照。24 more characters, for better and worse
〔日本版〕バージョンアップ後のTwitterでは返信のための@ユーザー名、メディアの添付、自己RTが「140文字の本文」から除外される。添付メディアのレンダリングにはタイムラインに表示されないTwitter独自のURLが用いられ、これが24文字であるためコンスティン記者の記事タイトルは「Twitterの本文が24文字長くなった」と表現されている。返信の@ユーザー名が別途入力されることになるのを考慮すれば、本文に利用できる文字数はその分も増加している。
ピリオド・プラス@ユーザー名のルールが廃止されたことで、本文中に@ユーザー名があるツイートは全フォロワーに公開されるようになった。ただし140文字にカウントされる点はそのまま。@ユーザー名が返信用のインターフェイスから入力された場合、公開範囲は従来の返信と同様、受信者および発信者、受信者の双方を同時にフォローしているユーザーのみ。ただしユーザー名文字列が140文字にカウントされなくなる。
[原文へ]
(翻訳:滑川海彦@FacebookGoogle+)