電子メールのパイオニア、Ray Tomlinsonが74歳で死去した。オーストラリアの報道による。
ニューヨーク生まれのTomlinsonは、メールアドレスの名前とドメインをつなぐ記号に「@」を選び、コミュニケーションプロセスの中心としたことで最もよく知られている。
ネットワークメールを送信する最初のプロクラムを開発したBolt Beranek and Newman社(現BBN Technologies)で働いていた時、Tomilinsonはリスト中のローカルメールとグローバルメールを区別するために、この記号を選んだ ― 当時はかなり地味な文字だった。その後「@」はメールアドレスの表示形式となり、コミュニケーションメディアとしてEメールが世界的になるにつれ、爆発的に広まった。
2012年のWiredのインタビューで、Tomlinsonが選択理由を説明している:
「キーボードを見ながら考えた。『ユーザー名と混同しないものは何か?』」とTomlinsonは回想した。「もしみんなが名前に『@』を使っていたらうまくいかなかっただろう。しかしそうではなかった。カンマやスラッシュや角カッコを使っていた。残る3つか4つの文字の中で、『@』がいちばん意味をなした。ユーザーがどこにいるか [at]を表わすから。
Tomlinsonの発明は近代にも大きな影響を与えた。TwitterやFacebook等のソーシャルメディアで、「@」は個人との直接コミュニケーションを普遍的に意味している。
インターネットの殿堂が、略歴の中でTomlinsonの業績を称えている:
TomlinsonのEメールプログラムは、人々の連絡方法を根本的に変える革命をもたらした。大企業から家族経営の会社までの運営方法を変え、数百万の人々が、街を越え海を越えて、買い物をし銀行を利用し友達や家族と連絡を取れるようになった。今や何千万もの人たちがEメール機能を持つ端末を毎日使っている。Eメールは未だに最もよく利用されているアプリケーションであり、世界で15億人以上が伝統的な時間と空間の壁を越えてコミュニケーションをとっている。
仲間のインターネットパイオニアであるVint CerfとGoogleのGmailチームも、Tomlinsonに敬意を表している。
Tomlinsonが2012年にインターネットの殿堂入りした時の映像がこちら:
[原文へ]
(翻訳:Nob Takahashi / facebook)
(2016年3月8日 TechCrunch Japan「メールアドレスの「@」を決めたレイ・トムリンソン、74歳で死去」より転載)
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