息子の発達障がいが分かってから、ひとつ悩んだことがありました。
「私の両親にどう伝えよう。」
孫が発達障がいだなんて知ったら、どう思うか。ビックリするかもしれない。ショックを受けるかもしれない。このことが受け入れられずに「障がい者扱いして!」と叱られるかな。こもたろを避けるようになったら、どうしよう。悲しいけれどでも、それはそれで仕方ないのかもしれない。
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悪いことばかり、グルグルと考えてしまう。...いやいや、両親はそういうことをする人たちではない。信じよう。よし、なるべくサラっと言うようにしよう。あまり堅苦しくなく、世間話でもする感じで。
そういえばさ、こもたろなんだけどこの間病院に行って、自閉症って言われたよ。今、療育園に通いだしたところ。まぁ、これから大変だけど、頑張ってやってくつもりだから。
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それを聞いた両親。「そうなんだ。まぁ大変だろうけど、何かできることがあったら言いなさいね。」
あれ。なんだか意外とあっさり...?
その話をした後も、こもたろへの対応は変わらず、可愛い可愛いと、いつもの優しいお爺ちゃんお婆ちゃん。帰省する度に、発達障がいの話をしたり、こもたろの特性の話をしたり。私が凹んだ時の話を聞いてくれたり。
そして私は気づきました。帰省の際、寝起きする部屋には何も物を置いていないこと。(ゴチャゴチャとした部屋だと視覚的な情報に溢れ、視覚優位なこもたろにはストレスになってしまいます。)居間のレイアウトをずーっと変えずにいてくれたこと。(自閉症のこもたろは、変化することを非常に怖がります。実家の両親はそれを調べて知っていて、こもたろが慣れる日まで数年間、いつもと変わらない部屋を維持していてくれました。)
あれからしばらく経ちました。昨年の夏に帰省したときです。
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ふと、こもたろの話になりました。父が言いました。
「実はたろくんが2歳になる位のときかな?あの頃、まだひとことも喋らないし、泣き方も赤ちゃんから抜けないし、癇癪も強かったから、アレ?って思ってた。もしかしたら発達障がいかな?って。」
えっ!! まさかまさかの。私よりも先に気付いていた、というパターン。えーっ言ってよー。
「まぁ、お前も親だからね。周りから言われたら反発したくなるだろうし、たろくんを信じたい気持ちもあるだろうし。そこはいろいろと葛藤して、少しずつ気付いて、受容していくのかなーと思って、言わなかった」
もしずっと気付かなかったら、どうしてた?
「うーん。どうしてたかなー。」そう言って父は笑っていました。
私が親を信じたように、親も私を信じてくれていた。そのことがちょっと嬉しくて、そしてちょっとだけこそばゆくて。
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なんともいえない気持ちになったのでした。
~続く。
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