こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
本日19時、記者会見で公開を明言していた舛添都知事の
パリ・ロンドンの海外出張費の詳細が公開されました。
(詳細はコチラでPDFファイルが見られます)
ご案内の通り、先週の総務委員会で私がこの数字を質問した時、
「公文書開示請求をして欲しい」と言い放って答弁拒否をしたくせに、
翌週にはマスコミに公開する姿勢に私は激おこプンプン丸(古っ)です。
参考:前代未聞!?東京都、舛添知事の海外出張費5,000万円の内訳を説明できず逃亡
上記の資料だけではなんのこっちゃよくわからなかったので、
記者レクが終わった後に政策企画局の担当者に説明を求めたのですが、
詳細にわかった数字が2つほど。
【航空運賃】
ファーストクラス(知事) 約266万円/往復1人
割引ビジネスクラス(部長級7名) 約91万円/往復1人
割引エコノミー(その他12名) 約46万円/往復1人
【ホテル代】
知事はスイートルームに宿泊し、
ロンドン・パリともに一泊約19万8千円
あとは公文書開示を待ってくれとのことでしたが、
早速この問題に熱心な産経新聞が記事にされていましたので、
上記の表ではなく記事で読みたい方はこちらからどうぞ↓
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で、ここからいくつかの突っ込みを入れていきます。
まず何より、知事の情報公開に対する姿勢は極めて疑問です。
(写真は知事の部屋より)
結局、先週の総務委員会では答弁から逃げたくせに、
世論が盛り上がってきたら外圧に屈してプレス発表。
もちろん、歴代知事の中でもっとも詳細に情報公開をした姿勢は
結果としては評価されるべき点かもしれませんが、議会軽視までして
一度はバックレようとした姿勢を看過することはできません。
続いて、宿泊費について。
都の規定で宿泊費は細かく定められておりまして、
一部週刊誌での報道にあった通り、パリなら一泊あたり約4万円が上限です。
にも関わらずこれを遥かに超える金額で
スイートルームに宿泊することができるのは、
事前に人事委員会と協議して決定した場合は例外とされているからです。
なお、知事以外のメンバーもスイートルームではないものの、
インターコンチ、コンラッドという高級ホテルに全員が宿泊したため、
4万円では収まらず同様に特例措置が認められています(おそらく一泊6~8万くらい)。
ちなみに歴代知事の海外出張でも、
人事委員会による特例措置でスイートルームでの宿泊が常態化しており、
この宿泊費規定はすっかり形骸化していると言えるでしょう。
スイートルームを利用する主な理由はセキュリティ上の問題や、
急な要人との会合が入った際に室内で対応するためだそうで、
実際に今回も1件のみ、ホテル室内での会談が行われたとのこと。
最後に航空券については、
これは実は8時間以上のフライトになると部長級以下のヒラ職でも、
ビジネスクラスの利用が規定上認められています(知事はファーストOK)。
しかし彼らは「経費削減」という大いなる目標のため、
自己努力(たぶん上司からの強制)によってエコノミーを選択し、
ダウングレードして航空券を安くあげようと涙ぐましい努力をされているようです。
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知事によるスイートルームやファーストクラスの出張が適切か否か、
これについては都民の間でも意見が別れるところかもしれません。
庶民感覚で素直に「高い!」と感じる方がいらっしゃる一方、
世界的都市のガバナーなのだからこれくらいは許される、という方もいます。
私としてもケチくさいことは言いたくありませんが、
やはり今回、当初の報道や議会答弁から逃げたことで、
舛添知事への信頼は毀損されています。汚名をそそぐためには、
「身を切る姿勢」
を見せる必要があるでしょう。
そこでいかがでしょう、部下たちが自らの意志で航空券を格下げしているのですから、
知事もビジネスクラスでの移動をご決断されてみては?
仮に次年度は5回海外視察するとすれば、
これだけで500万円前後の経費が削減できます。
上司の姿勢を見て、部下のモチベーションも上がるかもしれません?!
あるかどうかわからない要人との会合はその都度会議室を探すとして、
スイートルームの宿泊もやめましょう。そして全メンバーが高級ホテルに
泊まる必要もありませんから、近隣のビジネスホテルを利用するべきです。
他にも細目を見ると「携帯電話代高すぎ」とか色々とあるのですが、
また詳細は請求している公文書開示を待ちたいと思います。
「情報公開が何よりも大事」
「万機公論に決すべし」
と新国立競技場問題で威勢よく国に切り込んでいた知事ですが、
この都市外交問題では完全に後手に回りました。
結局はマスコミ・世論からの突き上げで情報公開に至ったことを深く反省し、
今後の都市外交における適切な支出を心がけていただきたいと思います。
また情報が入りましたら、お知らせいたします。
それでは、また明日。
(2016年3月23日「おときた駿オフィシャルブログ」より転載)