月額報酬40~50万の選挙管理委員(非常勤)が、都議会議員OBの天下り先になっている件

高額報酬をもらう選挙管理委員のポストが、実際には議員OBの天下り先になっているかのような状態は、果たして都民感覚として認められるものでしょうか?

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

様々な条例案が議決された定例会最終日に、もう一つコンテンツがありました。

4年に1度の「東京都選挙管理委員」の選出(選挙)です。

選挙管理委員は正規の委員が4名、補充員が4名の計8名で、任期は4年間。

その間に東京都で行われる各種の選挙が適正に運営されたか、

管理・審議をしていくのが主な役割になります。

細かくどんな職務をしているのかは図りかねますが、

実務は自治体職員がやっているわけですから、選挙管理委員そのものは

各種の選挙に「お墨付き」を与える、いわゆる非常勤の「名誉職」に近いと言えそうです。

そんな彼らに支払われる報酬は、東京都では

委員長:月額523,000円

委員:月額429,000円

補充員:日額26,200円

となっておりまして、かなりの高額です。

この選挙管理委員、多くの自治体でその約7割を議員OBが務めている実態が知られています。

<にっぽん再起動>23区議OB 選管委員へ"天下り" 引退後の食いぶち?

(少し古い記事ですが...)

「選挙を管理・審議するのだから、選挙に一番詳しい『元議員』がふさわしい」

という理屈はわからないでもありませんが、

それにしても委員の中にせいぜい1人か2人いれば十分です。

他は公職選挙法に詳しい学者や、弁護士などの有識者を選ぶべきだと思います。

彼らの任期は4年のため、私にとっても最初(で最後?)の

選挙管理委員の選挙となったのですが、東京都では選挙の前に

各会派が候補者を「推薦」する仕組みになっています。

自民党・公明党・民主党・共産党の大会派4つが候補を提示しまして、

候補者は総勢10名。なんとうち8名が都議OBでした(残り2名は警察OB)。

高額報酬をもらう選挙管理委員のポストが、

実際には議員OBの天下り先になっているかのような状態は、

果たして都民感覚として認められるものでしょうか?

本来であれば我々も独自の候補者を推薦するべきでしたが、

この各会派からの「推薦」というシステムを事前に上手く把握することができず、

擁立が間に合わなかったため、当日は抗議の意を込めて「白票」という選択をいたしました。

結果は8名中6名に都議OBが当選。

やはり慣例通り、7割弱を都議OBが占めることに...。

結果は変わらなかったとしても、候補者を擁立すべきだったと思います。

この辺りは、議員キャリアの短い我々の未熟さ故の失態でした。

申し訳ない限りです。

議員生活を続ければ続けるほど、

こういった理不尽な「慣習」の数々に直面します。

議員をやっていなければ、知るよしもないことばかりです。

兵庫県議会でも改革派のかしのたかひと県議が、突然の展開に

やはり同様に「棄権」という選択で意見表明をしていました。

選挙管理委員の選挙・・・不本意ながら「退席」しました。

もちろんメディアによる報道も重要ですが、

われわれ議員の立場からも気づいた点をこのように広く周知し、

世論を喚起させて変革の気運を醸成していきたいと思います。

それでは、また明日。

(2015年12月18日「おときた駿公式ブログ」より転載)

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