本日で都議会定例会が終了。
最終日は議決と、それに伴う討論(賛否の理由を述べるもの)が行われ、
私は本日その討論にて久しぶりに本会議にて登壇いたしました。
様々な議案が可決、あるいは否決される中で、
またまた「継続審議」となったのが『費用弁償』を見直す議員提出議案。
本件についてのこれまでのプロセスは↓
行くだけで1日1万円の掴み金!都議会議員の「費用弁償」廃止に向けて議員条例案を提出
そこまでやるか?!都議の1日1万円「費用弁償」、採決すらされず先送りへ...
前回の定例会で上程されたにも関わらず「継続審議」として塩漬けにされていたため、
今回もまた採決するか否かで俎上にのぼってきたわけです。
そして我々かがやけTokyoと共産党を除くすべての会派が「継続審議」に賛成し、
またも本会議での議論・採決は見送られる運びとなりました...。
前回のこの費用弁償見直し条例案を共同提出した
維新の党や生活者ネット、一人会派なども賛成に回っています。
これは一体、どうしたことでしょうか??
以前の記事で、セクハラヤジ問題の総括などが求められる「都議会のあり方検討会(あり検)」を
多くの議員はなんとしても回避・先延ばししたいのだという思惑を解説いたしました。
ただし、今年度は国勢調査で人口分布の新たに発表される年で、
都議会選挙における議員定数の不均衡はいずれにせよ是正しなければならないのもあって、
今年の秋にはこの「あり検」が開かれる可能性が濃厚な気配となってきました。
(統一地方選挙が終わって、ほとぼりが冷めたというのも大きいでしょう。)
この条例案を我々と共産党とともに提出した他の会派は、
「あり検を開き、そこで議論をしてくれるなら...」というバーター取引によって、
今回は継続審議にまわったというわけですね。
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確かに何もなく廃案に追い込まれるより、
「あり検」が開かれ議論されることになるのは一歩前進だと思います。
しかしながら、それはそれで非常にアンフェアなやり方です。
なぜなら「あり検」は原則非公開で、都民に開かれた会議体ではないからです。
すべてが終了した後は「報告書」が作成されますが、
議事録などが公開されませんので、どのような議論が行われて、
どの議員・会派がどんな意見を述べたのかは都民からは一切見えません。
一方で、議案としてしっかりと議会で議決をすれば、
賛否の理由を双方が明らかし、都民に対して意見・姿勢が開示されることになります。
「改革に後ろ向き」とイメージを持たれたくない議員たちは、それが何より嫌なのでしょう。
いや、わかってますよ。
議場でやろうかあり検でやろうが、おそらく現時点で費用弁償は見直しされません。
世論に訴えかけてみても、
「別にもらって良いお金ではないか」
「しっかりと仕事をしてくれれば、それでよい」
「政事にお金がかかることは、わかっているよ!」
という意見の方々も多いですし、
それはそれで一つの真っ当な考え方だと思います。
だからこそ、堂々と費用弁償の見直しに反対の方々は持論を述べて、
都民に開かれた場で自分たちの主義主張を訴えていくべきではないでしょうか。
費用弁償は果たして必要なのか、不必要なのか。
その金額は適正なのか、多すぎるのか、少なすぎるのか。
正面から議論をすることを避け、
密室空間の議論で今回も改革案を葬ろうとするやり方は、
民主的なやり方ではありませんし、情報公開の流れに逆らうものだと思います。
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なんだかもう、日々同じようなことばかり書いていて嫌になりますが、
相変わらず地方議会はこんなことばっかりです...サジ投げたくなる気持ちもわかるわ。。
残り任期は2年。
そんな中でどこまで何ができるかわかりませんが、
議会を少しでもオープンな場にするべく、引き続き働きかけを続けていきます。
以下に、本日の私の討論原稿全文を貼り付けておきます。
費用弁償に該当する部分は青文字にしておきますので、
良かったらご参照下さいませ。
閉会中も、調査研究に邁進してまいります。
それでは、また明日。
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私はかがやけTokyoを代表し、知事提出の全議案に賛成、議員提出議案第9号に反対の立場から討論を行います。
初めに、東京都安全・安心まちづくり条例の一部を改正する条例について申し上げます。先だって今年1月に策定された「安全安心TOKYO戦略」において「地域における犯罪抑止機能の低下」が指摘され、本条例改正はそれを受けての、安全安心の街づくりの推進・人材育成を改正事項とした、重点施策であると理解しております。
この安全安心のまちづくり分野は、すべての犯罪を抑制する原点であることから、特に防犯カメラ設置事業並びに見守り活動事業について、事務事業などの質疑を通じて、我が会派は注視を続けて参りました。その中で、町会・自治会に補助をする地域における防犯設備についてのみが青少年治安対策本部の直接事業であり、商店街における防犯設備整備は産業労働局、通学路における防犯設備整備は教育委員会へ執行委任という形になっている点を指摘してきました。執行委任については、予算上の事務手続の便宜から、同種の事業を実施しているところに委任しているとのことでしたが、同じような事業が三種類に分かれ、担当部署が違うということに、統一感を持った見守り活動ができるのかという懸念があります。
本定例会の総務委員会でもこの点につきまして、重ねて質疑をさせていただきましたが、青少年治安対策本部でおこなう見守り活動と、教育委員会・警視庁・産業労働局へ執行委任して行っている見守り・啓発事業と、どうしても責任の所在や情報共有があいまいになり、そのはざまに地域住民がこぼれ落ちることへの懸念は払拭できません。
かがやけTokyoとしては、将来的には条例にも登場します「区市町村」に安全安心まちづくり事業は委ね、区市町村の事業をサポートする側を東京都は担っていくことを要望します。重ねて他局や国、区市町村等の関係機関との業務の重複を回避し、効率性を重視するとともに、組織間で都民が決してこぼれ落ちぬことを望むものであります。
そして、本条例案が目指す規範意識についても申し上げます。既存事業と新規事業で目指す規範意識の醸成については、指導者、ことに教員への意識醸成、涵養は大いに期待したいところでありますが、一方東京都という行政機関に都民、保護者が手とり足とり規範意識をおしつけられることには、違和感が残ります。
税金の適正配分のため、限られた資源は大切にし、ターゲットを定めて事業の展開をされることを希望します。あわせて、既存事業の温存・あるいは心の東京革命「規範意識」の継承のための、手段の目的化とならないことを強く求めます。
次に、議員提出議案第9号、東京都歯科衛生士修学資金貸付条例について申し上げます。歯科衛生士不足に対する課題に真摯に向き合い、条例案を提出して議論を喚起する姿勢には、我が会派も強く共感するところであります。しかしながら、委員会質疑でも触れられていたように、果たしてこの課題に対する解決策が修学資金の貸付なのかどうかは、慎重な検討が求められるところです。休眠歯科衛生士の活用など、都の財政への負担が少ないあらゆる方法論を模索するために、本条例案には現時点では賛成しかねることを申し上げさせていただきます。
最後に、本定例会で議論になった新国立競技場を始めとする、都政運営について一言申し上げます。新国立競技場の費用負担については、根拠薄弱な状態で都民の税金を一円たりとも出すことができないという舛添知事の姿勢は頷けるものであり、我々かがやけTokyoとしても今回の一連の対応では、知事の意見を強く支持するものです。しかしながら、かつての特別委員会での副知事答弁や、文科省側の証言に鑑みるに、事務方同士・あるいは東京都内部での情報共有体制には疑問が残ります。事業者が撤退し議論となっている豊洲新市場の千客万来施設についても、事業者との曖昧模糊としたやり取りがその遠因となりましたし、先に災害備蓄用の燃料がストックされていなかった問題でも、ずさんな情報共有・情報伝達がその原因でありました。特に千客万来施設については東京都側の落ち度は大きく、都民の信頼を回復するためには一層の努力が必要です。新国立競技場問題を始めとする都民の関心事については特に、徹底した情報共有と情報公開がされることを強く要望するとともに、また我々かがやけTokyoは今後も情報公開を重視し、都民に開かれた都政を実現し、都民益を守るために全力で活動していくことをお約束いたしまして、討論を終わります。
(2015年6月24日 「おときた駿公式ブログ」より転載)