4月4日は、なんの日かご存じですか?
「養子の日」
です!
ちなみに私も、今年になって知りました...。
頻繁に取り上げていて恐縮ですが、私のライフワークになっている社会的養護。
過去記事はこちらから↓
日本でも「特別養子縁組」を進めよう!ということで、
日本財団が中心となって本日はシンポジウムが行われました。
4月4日養子の日キャンペーン ~大人たちから子どもたちへ 『家庭』という贈りもの~
そもそも皆さま、『特別』養子縁組ってなにかご存じでしょうか?
なにが特別で、普通と違うんでしょうか。
日本には「普通養子縁組」と「特別養子縁組」が存在します。
前者でわかりやすいのは、婿養子ですね。
跡取りの男子がいないため、娘の結婚相手を家系に迎え入れる。
娘と相手の男性が結婚しただけでは、親と子どもの関係は発生しませんから、
養子縁組の手続きを行う。これは普通養子縁組のポピュラーな形の一つです。
日本ではこうした成人の「普通養子縁組」が多く、年間8万件にも昇ります。
その他にも結婚が関係しなくても、自分の跡取りと目星をつけた人物を
家系に加える際などに、こうした普通養子縁組が行われます。
これは戸籍上「養子」「養女」と記載され、記録に残ります。
これに対して「特別養子縁組」は、0~6歳までのみ限定的に行われる仕組みで、
養子になった子どもは戸籍上でも実子と記載され、まったく同じ待遇が与えられます。
※「特別養子縁組とは・養子縁組に関する予備知識」より
1988年から日本でも制度化され、
普通養子縁組が主に家系の継続や節税目的なのに対して、
社会的養護のために行われるのが、この特別養子縁組なのです。
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こうした養子縁組の種別について、
「知らなかった!」という人がほとんどではないでしょうか?
我が国において、要保護児童を我が子同然に家庭に迎え入れる
「特別養子縁組」という制度は、理解も認知も著しく低いというのが実状です。
先進諸国に比べて里親制度の普及が著しく遅れていることは
以前から再三に渡り述べている通りですが、
4万人を超えると言われる要保護児童のうち、
特別養子縁組によって永続的な「家庭」を得られる子どもたちは、
なんとたったの1%、422人に過ぎません。
こうした事態を招いている背景には、
日本独特の血縁社会や価値観などもあるのかもしれません。
しかしながら、やはり直接的な理由は政治や行政による政策の掛け違いです。
過去記事からお読み頂いてる方にはしつこくて恐縮ですけれど、
日本や東京都の施設依存・施設偏重は異常とも言える状態です。
以前に、とある東京都の児童養護関連の施設に視察に訪れた際、
全国には東京都よりも里親委託(家庭養護促進)が進んでいる自治体があることを指摘すると、
「それは、乳児院や児童養護施設が充分に整っていないからです」
と言われ、愕然としたことがあります。
これほどまでに行政の意識は施設>>里親・養子であり、里親措置や養子縁組をされるのは、
恵まれた施設に入れなかった「かわいそうな子ども」とまで思われているのかもしれません。
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本日のシンポジウムでは、自らも戦災孤児で養子となり、
新しい家族の支えで芸能人として活躍しているサヘル・ローズさんや、
私も孤児だった-女優サヘル・ローズが訴える、「養子縁組1%」の日本の現実
以前にも著作をご紹介した「赤ちゃん縁組・愛知方式」の創設者である矢満田氏、
(本日関係者席でお招きいただき、ありがとうございました!)
通称赤ちゃんポストこと「コウノトリゆりかご」を設置した
慈恵病院院長・蓮田氏によるトークセッションなどが行われました。
1時間の中に沢山のコンテンツがありましたので
一つ一つの内容はダイジェスト的でありましたが、
イベントにお越しになれなかった皆さまはぜひとも各著作をご一読いただきたいと思います。
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年間8万件の普通養子縁組に比較して、
たったの年間400人に満たない特別養子縁組がもっと日本に定着し、
いつしか「特別」でなくなる日がくるよう、私も普及啓発と政策提言を続けていきます。
ハッピーゆりかごプロジェクト
良い4月4日を過ごせました!
それでは、また明日。
(2015年4月4日「おときた駿公式ブログ」より転載)