昨日の新聞メディアを騒がしている、鯖江市役所JK課設立のニュース。
SNS上を見ていると、結構な反響が出ているようですね。
朝日新聞WEB版の記事が、早速シェアされバズっています。
福井県鯖江市が今春、課員が全員女子高生という「JK課」を市役所内に設ける。若い感性で行政と市民の垣根を取り払い、まちを活性化させるのが狙いだ。
市内の高校に通う1、2年生の女子生徒18人がすでに課員に内定。無料通話アプリのLINE(ライン)やツイッターを通じて口コミで集まった。4月から無報酬で、イベントの企画や、国内シェア9割超の眼鏡フレームなどの商品やアプリの開発などを手がける。(中略)
若新さんは「女子高生は大人と子どもの中間にいて、役所からは一番遠い存在。彼女たちが主体的に行政に関わることで『ゆるい革命』が起きます」と話す。(上記リンク先記事より引用)
これ、仕掛け人はNEET株式会社や民主党「大反省会」などの仕掛け人で知られている若新雄純くん(慶応義塾大SFC研究所上席所員)です。
さて、この鯖江市JK課の試みをどう見るか。
たんなる話題作りと色物、とみるのも簡単なんですが、決してそうではないと思う。
1:ゆるい市民による、ゆるい住民参画実現の実験
もともとのこの取組みの背景は、より住民参加のまちづくりを進めたいという街の意向あってのことだとか。すでに多くの住民参加の機会が作られてきた鯖江市の問題意識は、ある程度意識の高い人が参加する状況になったからこそ、より幅広く広範な層に「ゆるくでも」参加してもらう状況をどう作るかということにあったといいます。
意識高い人たちだけでなく、これまでは来るはずのなかったJK(女子高生)といういわば真逆に振った展開で、新たな住民参加のあり方を実験してみたい、という意図だと思われます。今後、おそらくインターネットを活用した「ゆるい」情報発信や、参加の形なども試されるでしょう。これまでにない「ゆるい市民」による住民参画のテストケースとして注目されます。
2:常に変わり続ける異質が生み出す「ゆらぎ」
異質な存在が「在る」ということによって生まれる「ゆらぎ」が、組織や行政のあり方にイノベーションをおこす契機になるのかもしれない、とも思います。NEET株式会社という若新さんの取り組みも、同じようにいわば、異質に着目したゆらぎへのコミットではないかと思うのです。既存の行政の取り組みや価値観が、まったくの異質によって問い直され、疑問を感じ、バージョンアップしていくそんな契機になるかもしれない、ということを期待してしまいます。おそらく、より大きく見た時には、社会の価値観の転換やあり方が問われている中での、次を模索する、そんなゆらぎだとも位置づけられるのでは、と思います。
3:キャッチーな切り出しによるPR効果
この朝日新聞だけでなく、すでに複数の新聞やネットメディアで注目を集めているし今後テレビメディアなどでもドカーンと紹介されていくでしょう。鯖江市からすれば、たった100万の市単費の投入で、これだけのパブリシティ効果を得られるのはめっちゃ投資対効果が良いですよね。これまでのオープンガバメントなど先進的な「なにかしてくれる鯖江市」ってイメージが一部あったのですが、それがまた今回の件で「おもろいぜ!鯖江市」って感じになってくるのは間違いないでしょうね。
この鯖江市JK課の取り組みは、これから楽しみで、注視していきたいと思います。
同時に、こうした思い切った施策にGOを出した市長、あるいは若新さんの起用にGOをだした市長の懐の深さに脱帽。おもしろい!