渋谷駅にある「しぶそば」というお店で、4月1日にたぬきそばを注文したら、金額がいつもと同じ440円でした。
しぶそばさんは内税表示で、3月31日までと4月1日からは金額の改定をしていません。ということは「増税分の3%分は当店が負担します」ということを表しているんです。
で、僕は店内を見たのですが、どこかに大きく「増税分は当店が負担します」と掲げているわけではないんです。僕はこの瞬間、「よし、これから出来るだけしぶそばさんを利用しよう」と心に決めました。
今は何かと物価も上がっているし、この機会に3%分はもちろん、さらに値上げしようと企むお店が多いはずです。僕もお店を経営しているので、値上げしてしまうお店の気持ちもすごくわかります。
それをぐっと我慢して、価格据置はすごいなあと思いました。
でも、たぶん、そういう「価格据置。増税分は当店が負担」ってお店、すごくたくさんあると思うんですね。
そういうお店を「リストアップ」してインターネット上で公開してくれないかなあって想像してみました。
僕はいつも声を大きくして言ってるのですが、この資本主義社会で「消費する」という行為はある意味「投票行為」です。
「この会社の理念は好きだから潰れないでずっと存続してほしいなあ」とか「この商品は地味で今にもなくなりそうだけど、ずっとあってほしいなあ」とか感じたら、どうすれば良いのか。「ずっと買い続ければ良い」んです。
そして周りの人にも「あのお店、潰れてしまうと困るから、みんなで利用しよう」と伝えたら良いんです。
そう。「不買運動」と反対の発想です。
で、また思いついたのですが、「会社、商品、店舗選びドットコム」というのはどうでしょうか?
例えば「育児休暇利用社員が多い会社」という項目をクリックすれば、そういう会社がたくさん並んでいるわけです。
もちろん人によって「こういう理念が好き」っていうのがあると思うんです。
「動物実験をしたものを使っていない」とか「すべてが国内生産」とか「ベジタリアン向けのメニューのみのお店」とか「伝統工芸品を保存しようとしている会社」とか、そういう項目をたくさん並べるわけです。
そして、例えば車を買うときに、人によっては「女性の役員が多い」というのを基準に選ぶかもしれないし、人によっては「風力発電のみで作っている」というのを基準に選ぶかもしれないというわけです。
そして「いいね!」ボタンもつけて、「いいね!」が多い5社、5店舗、5商品を毎年、「みんなが利用したいベスト5」という形で発表するというのはどうでしょうか。
「安い」とか「美味しい」以外の選択肢で消費するというのも未来の1つのカタチのように思った、4月1日でした。