予算委審議、シェア金沢、CCRCなど

「更なる圧力を加える」ことに加えて北朝鮮の冒険的行動に対する拡大抑止力やMD、国民保護体制などの拒否的抑止力の強化も並行して図らなくてはなりません。

石破 茂 です。

北朝鮮のミサイル発射があったにも拘らず、予算委員会ではほとんどこの件に関する審議は無いばかりか、集中審議のテーマは「政治とカネ」のみ。

このような時期に「平和安全法制廃止法案提出で民主党など野党五党一致、19日に国会提出」などとの記事を読むと、慨嘆・歎息を禁じえません。今後この法案の取り扱いがどのようになるのか、国会で決めることなので何とも言えませんが、実際に審議・採決となった時にどのような議論が展開され、その際に民主党議員はどのように対応するのか、見当もつきません。

「更なる圧力を加える」ことに加えて北朝鮮の冒険的行動に対する拡大抑止力やMD(ミサイル防衛)、国民保護体制などの拒否的抑止力の強化も並行して図らなくてはなりません。この議論が国会でもっと深く行われるべきだと思うのですが、今後の展開を期待します。

衆議院予算委員会は基本的質疑、一般質疑を終えて集中審議に入っていますが、15日月曜日のテーマは「経済と地方創生」なのだそうです。質問通告が出揃うのは本日金曜日夜、それから事務方が答弁を作成して、私のもとに届くのは土曜日の午後、日曜日に政務の合間に答弁案に目を通して、自分の言葉と論理に置き換える作業をすることになります。大臣は職務柄仕方ないとして、本日遅くまで作業に追われる事務方は、ワークライフ・バランスなどとは最も遠い世界です。

7日日曜日に「生涯活躍のまち(CCRC)の先行モデルとされる金沢市の「シェア金沢」を地元の馳文科大臣と共に訪問して参りました。

「高齢者、しょうがい(障害・障碍)者、壮年、学生などが共に暮らす『ごちゃまぜの街』」を経営の基本とする「佛子園」の雄谷理事長の説明や、ここに暮らす方々との対話は、とても参考になりました。

街にすっかり溶け込んでいるカフェやライブハウス、レストラン、温泉施設などがとても魅力的で、多くの人々に「また行ってみたい」と思わせるような街づくりがCCRCを成功させる大きな鍵であるように思いました。

アメリカにも約2000か所のCCRCがありますが、居住者が相当にシニアな方々であり、かつ比較的富裕な層が多いと言われています。日本型のCCRCを実現するにあたっては、50代、60代の「第二の人生を地方で拓く」人々をどう呼び込むか、富裕層でなく一般的な国民年金、厚生年金受給者が快適に暮らせる環境づくりをどのようにモデルとして構築するか、が大きなポイントです。

株式も円相場も不安定な動向となっています。報道では様々な解説がなされていますが、どうにも後追い的な感が否めません。時に実体経済と乖離し、思惑が先行する金融資本主義とは一体何なのか、やや複雑な思いが致します。株主資本主義でも金融資本主義でもない、公益資本主義について、もう一度よく考えてみなくてはならないと思っています。

週末は13日土曜日が、九州各地市町村長との懇談、地域企業連合会・九州連携機構(AIE)フェスタにて講演(午前9時)、九州経済人との懇談(以上九大箱崎キャンパス)、第2回日本ジビエサミットで講演(午前10時・アクロス福岡)、北九州市長面会、ジビエサミット展示視察、宇佐市まち・ひと・しごと創生特別講演会で講演(午後2時半・大分県宇佐市文化会館)。

14日日曜日は八頭町西御門地区・殿地区初総会(午前8時・鳥取県八頭町)自民党鳥取県連所属国会議員合同新春懇談会(午前10時・ホテルニューオータニ鳥取、午後1時・倉吉シティホテル、午後4時半・米子全日空ホテル)、という日程です。

立春も過ぎ、今週の都心は少しだけ春の近いことを感じさせる陽気でした。

昭和40年代末のスカイラインの宣伝コピーに「春は希望の別名みたいだ」というのがあって、とても素敵に思ったものです(「海の音は一人で聴くには寂しすぎる」とか、「愛されてますか、奥さん」など、あの頃の日産のコピーは名作揃いでした)。

皆様、お元気でお過ごしくださいませ。

(2016年02月12日「石破茂オフィシャルブログ」より転載)

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