大臣再任、花御所柿など

人事権はあくまで総理大臣の専権事項であり、役職は個人のためではなく国家国民のためにあるものだと思っております。

石破 茂 です。 

一昨日行われた内閣改造で、引き続き国務大臣 地方創生・国家戦略特別区域担当 を務めることとなりました。

人事権はあくまで総理大臣の専権事項であり、役職は個人のためではなく国家国民のためにあるものだと思っております。 

地方創生の取り組みを、総論ではなく各論において、そして全国すべての地域において具体化させるための仕事が、自分に課せられた責任であると考えています。

地域のサービス産業をはじめとする製造業以外の産業の生産性向上、コンパクトシティや「小さな拠点」事業の推進、CCRC実現の道筋の確立、中央政府機関の地方への移転など、地方創生の具体化へ向けた膨大な作業はこれからです。

政府に陳情して補助金や交付税を獲得する、という従来の手法とは全く異なった取り組みであるため、地域の意識も根本から変えていただかねばなりません。このような相当の難事であり、かつ、かつて大臣を務めた農林水産省や防衛省のように独立した組織を持たない内閣府において政策の継続性を維持しなければならないのですから、実に大変なことだと改めて気を引き締めています。

一年間この仕事を務めてみて、こんなことも、こんな人も、こんな地域も知らなかった、ということのあまりの多さに愕然とする日々でした。30年近く議員を務めていながら、自分の至らなさに恥じ入るばかりです。

4日日曜日に、かねてから一度見てみたかった香川県高松市の丸亀町商店街に行ってきたのですが、その取り組みの斬新さには目を見張る思いでした。

本四架橋が開通したバブル華やかなりし頃から、既に商店街の衰退を見通し、全国の失敗例をすべて調査したところから始まったこの取り組みの真剣さには、深い感銘を受けました。

成功事例を視察したり、講演を聞いたりしても、「カリスマの町長が、経営者が、理事長がいたからだ。うちの町では出来っこない」と言ってしまえばそれでおしまいです。成功事例の普遍化(「横展開」という言葉はあまり好きではないもので)にはどのような手法が有効なのか、皆様も良いお知恵をお貸しいただけたらと思います。

「はじまった田園回帰 現場からの報告」(小田切徳美、藤山浩、他著 農文協ブックレット)はとても啓発的な著作です。特に中山間地域において地方創生に取り組んでおられる方にお勧め致します。

「人の評価は棺を蓋う時に定まる」との言葉を改めて思い出しますが、棺を蓋う時においてもなお定まらないような気が致します。「待て暫し、やがて汝もまた憩わん」、ゲーテのこの言葉もいつも思うのですが、さて一体何時のことになりますか。

大村・梶田両先生のノーベル賞受賞は日本人に誇りと勇気を与える快挙でした。大村先生の夜間定時制教師時代のお話や、「人の役に立つ人間になれ」とのお祖母様の教えなど、日本人が忘れそうになっていた生き様を改めて認識させられたことでした。

この度の安全保障法制で新たに「駆けつけ警護」が可能になったことについて批判的なご意見がありますが、海外で重大な危難に遭遇した日本人の立場に立って考えた時、「近くで活動している日本の自衛隊が駆けつけてくれる」というのは大きな安心につながるのではないでしょうか。

「日本の自衛隊が近くにいても、駆けつけて保護するのは他国に任せる」という考えはどうにも理解できません。海外の自国民を保護することは主権国家の当然の責務です。

その上で、「自国民保護が戦争の口実になった」という歴史の教訓を真摯に学び、そうさせないための法制やROE(ルール・オブ・エンゲージメント、行動規範)を確立すべきものだと思います。

週末は10日土曜日が「田勢康弘の週刊ニュース新書」出演(テレビ東京系列・午前11時半)、日本技術士会中国本部総会にて講演(鳥取市)、智頭町自伐林業元年記念シンポジウム(鳥取県智頭町)、小林前鳥取県薬剤師会会長叙勲祝賀会(倉吉市)。

11日日曜日が「時事放談」出演(TBS系列・午前6時・増田元総務大臣との対談・収録)、「新報道2001」出演(フジテレビ系列・午前7時半)、鳥取での婚礼二か所に出席した後、鳥取県西部地区青年経済団体連絡協議会での講演(米子市)、という日程です。

そろそろ私の地元、鳥取県八頭町の「花御所柿」のシーズンとなります。日本一甘い「幻の柿」と呼ばれ、20度という抜群の糖度を持つ、とても甘くて上品な味が自慢です。

かつて後醍醐帝が隠岐の島に配流される中途にご滞在になった、という故事に由来する由緒ある名前を持つ「花御所柿」。秋の澄み切った青空と、まるで花が咲いたような柿の実との鮮やかなコントラストは、私の心の原風景の一つです。

11月15日までが受付期間となっており、お問い合わせは「JA鳥取いなば梨・柿直売所物産館みかど(0858-72-3730/72-3563 FAX・0858-72-3731)」までお願い致します。

秋も深まってまいりました。三連休の方もおられることと存じます。

皆様、よい週末をお過ごしくださいませ。

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