私の住む東京都下の某市でも、インフルによる学級閉鎖の話がお母さんたちから伝わってきています。「隠れインフルエンザ」も話題ですが、ネットニュースで警鐘を鳴らしている「高齢者や体力のない人」以外に、幼児も症状が出にくいかも、という経験談です。
堀米香奈子 ロハス・メディカル専任編集委員
記事によると、隠れインフルとは、インフルに感染しても熱が38度未満のままだったり、微熱や鼻水が出る程度だったりして、軽症のまま済んでしまうこと。その理由は、
そもそも発熱や痛みなどの症状は、体の免疫機構が侵入したウイルスから体を守ろうとする生体防御反応の現れ。つまり、治す力が強い人ほど、症状も激しくなる傾向がある
と説明されています。
要するに、風邪やインフルなどで熱や咳、鼻水などの症状は、全て免疫機構が応戦している証。高齢者や体力が低下している人では、病原体が侵入してきても免疫機構が適切に応戦できないので、顕著な症状が出にくいのですね。(そもそも免疫って何?という方はこちらをどうぞ)
ただ、私は自分たちの経験から、幼児も、隠れインフルを心配すべきではと思っています。
数年前の年末、子供たちが2歳と5歳だったと思います。相次いで咳と鼻水をし始めたのですが、比較的元気なので、実家に預けて仕事に出かけました。冬休みだったのでそのまま夜も泊まらせたところ、ちょっとずつ咳が酷くなり、熱は37度台後半くらいまで上昇。それでも、普通の風邪だと思っていましたし、ぐったりした様子もなく食欲もあったので、マスクなどさせそのまま実家で様子を見ていました。
2~3日後、子供たちが元気になった頃、既に私と、私の両親、実家にたまたま居合わせた私の弟は、いっぺんに典型的なインフルの症状に見舞われていました。特に実家の3人は寝込んでしまって、お正月は文字通り寝正月に。全員、A型と診断されました。ちなみに、子供たちと私は予防接種を受けており、実家の人たちは油断して未接種でした。結果、子供たちは軽症、私も軽症、実家は全滅だった、ということです。
子供たちがきちんと2回接種を受けていたことと、私も軽症(子供よりは辛く、2日ほど寝ていました)だったことも、私の判断を誤らせたのだと思います。これ以降毎年、効き目云々は言われつつも、実家の人たちも皆、インフルの予防接種を受けています。
子供はインフルエンザの予防接種が効きづらいのは有名ですよね。体が未発達で、免疫機構が完成していないからです。小学校低学年くらいにほぼ成人レベルに達するのだとか。その分、ワクチンを2回接種するわけですが、それでも発症することもある、と痛感しました。
さて、この経験について私はこれまで、予防接種を受けてあったせいで症状が軽くて済んだのだろう、と理解していました。実際そうかもしれません。しかし、それとはまた別に、「免疫機構が未完成」であるために、かかった場合にも反応が薄い、つまり軽症になりやすいこともあるのではないでしょうか。
同じように「かかったけど軽く済んじゃった」「最初全然気づかないでお医者さんでインフルと言われてびっくりした」といった話は、子供が未就学だった頃、お母さんたちの間でよく聞かれました。小学生になってもまだあります。子供のこの時期の"風邪"は、油断ならないですね。
ちなみに、先日は小学生がインフル特効薬を服用後に異常行動を起こすことについて、厚労省が、というニュースもありました。今は小学生となった我が子たち、他人事ではありません。実は漢方薬にも、インフルの症状改善効果が認められているものもあります(詳しくはhttp://lohasmedical.jp/news/2009/11/01203429.php)。予防接種は受けたものの奏効率は低そうですから、もしインフルにかかってしまった場合はそちらも試させたいな、なんてちょっと思っています。でも実際には近所では無理かな...
(2017年11月29日「ロバスト・ヘルス」より転載)
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