親(オタク)が子育てに与える影響

『ダ・ヴィンチ電子ナビ 』が「両親がオタク! その子どもはリア充に育つか、オタクに育つか!?」という記事を配信しており、いろいろ興味深かったので、これについて少し。

『ダ・ヴィンチ電子ナビ 』が「両親がオタク! その子どもはリア充に育つか、オタクに育つか!?」という記事を配信しており、いろいろ興味深かったので、これについて少し。

1 記事の紹介

これは、最近よく見かける育児コミックの1つを紹介したものです。元記事で取り上げられているのは、銀杏社から出版された堂高しげる氏の『親はオタでも子は育つ!』で、「黎明期オタクと黎明期腐女子の両親が登場する」そうです。

「オタクが親になるのだから、当然子どももオタクにしたいのかと思いきや、」できれば、リア充で育てたいと思いながらも、「自分たちがリア充ではないので、具体的にどうすればいいのかさっぱりわから」ず断念さざるを得なくなります。

そして、「結局、子育てに関しても自分たちの得意なオタク方面で妄想力を発揮する」こととなるわけですが、「同じオタクとはいってもマンガ家で女性声優やフィギュアが好きな旦那さんと、腐女子の奥さんではその分野も全然違う」ので、「教育方針の違い(?)で揉めることも」あるとしています。

2 親の影響

楽しそうな本ではありますが、私自身まだ中身を拝見していないので、本の内容についてどうこういつもりはありません(『ガッチャマン』は大コケでも黒字?)。

この元記事を読んで最初に思ったのが、当たり前過ぎる話ですが、やはり何だかんだ言って子供は親の影響が大きいということです。

以前、新聞の悩み事相談で「子供が本を読まなくて困っています」という母親からの相談を見かけたことがります。

それに対する回答が秀逸で、「ご両親は本を読んでいますか?」といういうものでした。つまり、子供の前で本を読む姿を見せているか、極端な話、そもそも家に読むべき本があるのかという話でした。

3 親の趣味

つまり、親の趣味・嗜好が子供に影響を与えるという話で、どうしても親がアウトドア嗜好であれば、子供を連れ出しますし、スポーツなどをやっていれば、子供にも同じものを習わせる親というのは結構いるかと思います。

反対に、出掛けるのが嫌いな親であれば、子供も当然家にいることが当たり前となるわけですし、周りに本が沢山あれば、自然に読むようになるというし、音楽(CDなど)があれば、それを聞くようになるという話です。

もちろん、全ての子供が親の趣味をそのまま受け入れるというのも難しい話で、中には親の「押しつけ」に反発するような形で、やめてしまう子供もいるでしょう。ただ、子供が親の趣味を受け入れるか受け入れないは別として、人格形成に大きな影響を与えるのは間違いないと考えます。

4 貧困の連鎖

前置きばかり長くなってしまいましたが、本当に書きたかったのは、最近話題の負(貧困)の連鎖という話です。

「貧困」が話題として取り上げられることが多くなりつつありますが(「貧しさ」を媒介として労働者は団結できるか?「偽装シェアハウス」に対する道理と義理)「貧困」はいろいろな問題を含んでいます。

親が仕事をするのが当たり前の家庭で育った子と、働かなずに家でゴロゴロしている親を見て育った子はやはり違うでしょうし、働いている親であれば、仕事をしていくためには何が必要であるか(仕事をしていく能力だけでなく、人付き合いの大切さなど)わかっており、それを子供に教えようとすると思います。

5 最後に

そうしたことを教えられた子と教えられなかった子の間に違いが生じるのは当然のことかと思います。かく言う私も何故こうした発想をするに至っているかというと、中国で貧富の格差というものを嫌という程目にしてきた影響が大きいのかと思います。

中国では、貧富の格差が激しいわけですが(中国で忘れ去られた人々(写真)中国のいかにも成金といった人たちの写真)、当然その影響は子供の教育に大きな影響を及ぼすこととなります(出稼ぎのため「置き去り」にされる子供と「小皇帝」)。

私は、あまりにも極端な例を見てきているわけですが、結果、こうした問題に関心を持つこととなったわけで、やはり「経験」は「思考」に大きな影響を与えるという話です。

(※この記事は、2013年9月5日の「政治学に関係するものらしきもの」から転載しました)

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