宇宙産業の未来は明るい。そろそろ、アメリカ航空宇宙局(NASA)が採用した粉末ジュース「Tang」を、再び飲み始める時だ...
このブログでは、3つのワクワクする進歩と、それが何を意味するのかについて書こうと思う。
- 小惑星資源法:オバマ大統領が小惑星資源法に署名
- ジェフ・ベゾス対イーロン・マスク:再使用可能な宇宙船開発レース
- 火星で水分発見::水が見つかったらどうなるの?
新小惑星資源法にオバマ大統領が署名
3年近くの努力を経て、オバマ大統領の署名により、小惑星や宇宙資源の私的所有権を認める法律が成立しました。
「宇宙資源開発利用法 (2015年) 」と呼ばれる、下院提出の法律番号H.R.2262.第4編に大統領は署名し、法律として成立させたのです。
説明しましょう。
ここ15年にわたり、私たちは地球に最接近する多数の小惑星を発見してきました ―― 私はそれらを宇宙の "マンハッタン島" と呼んでいます。
これらの小惑星は資源豊富で、私たちにとって大変貴重な物質で構成されています。燃料 (水素と酸素)、建設材料 (ニッケル、鉄、コバルト)、白金属元素 (白銀、パラジウム、オスミウム、イリジウム) は戦略的使用 (電子機器など) に用いられます。
250mから1kmの巨大な岩石のほとんどには、数兆ドルの価値があります。つまり、太陽系で最も価値のある不動産に相当します。さらに良いのは、エネルギー的に月よりも近づきやすいことです。
宇宙資源開発利用法には、民間企業が小惑星の物質をいかに採掘し、所有し、販売するかを規定しています。
次なる "ゴールドラッシュ" を始めましょう。
ベゾス対マスク:再使用可能なプライベート宇宙船
あなたはこんな見出しを見たことがあるかもしれません。
「ジェフ・ベゾスが再使用可能ロケット製作の宇宙レースでイーロン・マスクに勝利」
いったい、どういうことでしょうか?
再使用可能ロケットは、低価格な宇宙旅行の重要なカギとなるため、宇宙への扉を開くことができるということです。
2015年11月23日、感謝祭の前日、ジェフ・ベゾスが経営するブルー・オリジン社が見事にやってのけました。ニューシェパード号を高度32万9839フィート (公式な宇宙空間は高度32万8000フィートまたは高度100kmと規定される) まで打ち上げたのです。そしてニューシェパード号は、燃料を再補給して再び打ち上げる能力を持って、地球上に戻り垂直着陸しました。
ブルー・オリジン社のチーム全体に大きな祝福を!
ニューシェパード号の飛行は多くのメディアの注目を集めました。
しかし、ニュースメディアは "ベゾス対マスク" の宇宙レースを作り出そうと試みる一方で、重要な点をいくつか見逃しています。
- イーロンのスペースX社は数年前すでに、再使用可能で垂直動力を備えたロケットの着陸を披露していました。"試験用ロケット" グラスホッパー号によってです (スペースシップワン号が水平着陸を披露したように)。
- そして、ニューシェパード号は高度100kmから帰還しましたが、最大速度マッハ3で、軌道には乗らないものでした (スペースシップワンも同様)。これは、ほぼ軌道に乗った速度から帰還したスペースX社のファルコン9号の第一段のものとは全く対照的です (マッハ3対マッハ30) 。
以下は、イーロンのTwitterです。
ブースターへの垂直離着陸を成し遂げたジェフ・ベゾスとブルー・オリジンチームに祝福を。
"宇宙空間" と "軌道" の違いを明確にすることが重要です。以下のサイトでうまく説明されています。
宇宙空間に行くためにはマッハ3が必要ですが、軌道に乗るためにはマッハ30が必要です。必要なエネルギーはその2乗となります。つまり、宇宙空間には9ユニット、軌道には900ユニット必要です。
ジェフは気付いていないかもしれません。スペースX社は軌道に乗らない垂直離着陸飛行は2013年に、軌道飛行の水上着陸は2014年に、それから軌道飛行の地上着陸も始めました。
メディアの熱狂はさておき、ここで最も重大なことは、イーロン・マスク、ジェフ・ベゾス、ポール・アレン、リチャード・ブロンソン、その他、億万長者の民間資本が宇宙フロンティアを開拓しようと試みており、その肩入れが拡大していることなのです。
もはや、宇宙開発と商業化の未来は、政治的プロセスの手中だけにはないのです。
火星の水...火星の生命...火星の人類
最近のNASAの発表によると、火星探査機 「マーズ・リコネサンス・オービター(MRO)」が、現在の火星には液状の水が断続的に流れているとの強力な証拠を示しました。
MROに搭載された画像分光計を用いて、NASAは流水に特有の模様を持つ、水分を含んだ鉱物を確認しました。
生物に関する私たちの知識に基づけば、生きるためには水が必要です。
私が思うに、2020年に予定されている火星着陸という次なるミッションでは、今や火星には生命が存在していることが突き止められるでしょう。
2020年に打ち上げが予定されている新しい火星探査ローバーは、自動車サイズ (10 ✕ 9 ✕ 7 フィート:3.0 ✕ 2.7 ✕ 2.1 メートル) の乗り物で、主なミッションは生存可能性や生命の足跡を調べることです。
しかし、これは、大いなる火星構想の単なる始まりに過ぎません。
イーロン・マスクが当初述べたスペースX社を創設した目的は、火星への人類の移住を助け、"人類を複数の惑星の種に"することです。
2年前、彼はより明確で具体的な目標を発表しました。20年以内に、火星への往復旅行を一人50万ドル(約6000万円)で提供するという内容です。 (実際、彼は15年以内と言いましたが、少し寛大な目で見ておきましょう) 。
人類史上、最もワクワクする時間
最後に、小惑星へのレース、再使用可能ロケット、そして火星への熱が高まっていますが、一方でまた別のレース、民間ではじめて月へ探査機を送りこんだら3000万ドル(約36億円)というGoogle Lunar XPRIZE も盛り上がりそうです。
私たちは驚異的な進歩の時代に生きています。かつてはSFと考えられていたアイデアも、今や科学的な事実となりつつあるのです。
この進歩のスピードは加速しています。多額の民間リスクマネーや、強力で急激なテクノロジーを利用できる範囲が広がっている今、挑戦できないことなどほとんどありません。
私たちは人類史上、最もワクワクする時間に生きているのです。
この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。
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