プレゼン・交渉に効く! 人の思考の4タイプ

今回は、耳を傾けてもらうために、まず相手の思考のタイプに注目する、という方法を『ツカむ!話術』の中からご紹介したいと思います。
Jamie Grill via Getty Images

こんにちは、パックンマックンのパックンです。前回の記事(「ハーバード流トーク術」のススメ)は非常に多くの方に読んでいただいたと聞きました。ありがとうございます!

前回「相手の心をツカむためには、話す内容だけでなく、どうしたら自分の言葉に耳を傾けてもらえるかを考えなくてはいけません」と書きました。今回は、耳を傾けてもらうために、まず相手の思考のタイプに注目する、という方法を『ツカむ!話術』の中からご紹介したいと思います。

欧米の、特に経営や国際交渉の研究の場において言われていることの一つに、人の思考のタイプは大きく次の四つに分けることができるという分析があります。

すなわち

・直観を重視するタイプ

・分析を重視するタイプ

・事実を重視するタイプ

・規範を重視するタイプ

の4タイプです。

相手が「直観/分析/事実/規範」、どれを重視しているタイプかによって、どこに力点を置きながら、どのように話すと効果的なのかが変わってきます。

まずは直観を重視するタイプ。アイデアやイマジネーションなど抽象的なことを重視し、事実や数字にはそんなにこだわらない、詳細より全体像に注目する人たちです。例えば、僕の高校時代の先生はこのタイプで、ずっとこういうことを言っていました。

「あなたには何かすごいものが潜んでいるの。あなたには明るい未来が待ってる! 私には見えるの!!」

実際僕には明るい将来が待っていました。予言通り! このようなタイプの人は世の中にはいっぱいいます。そういう人と接する時は、意識してアイデア、インスピレーション、イメージなどの言葉を多めに使ったほうがいいんです。

二つ目が、分析を重視するタイプ。論理的に考えることで正しい解決につなげようとする人たちです。複数の主張を天秤にかけて、因果関係を考えて、論理的に情報を整理し、判断する。詳細を理屈で詰めていくタイプですね。「だから」とか、「〜するために」とか、「したがって」とか、そういう接続詞を会話の中でも使う人であれば、分析的なタイプの可能性が高い。そういう人には、特に論理立てた話し方を心がけると効果的です。逆に「イマジネーション」などの表現を出しすぎるとムカつかれるかもしれません。

三つ目が、事実を重視するタイプ。冷静に数字やデータを使って客観的に説明しようとします。こちらも「イマジネーション」と言われても動かされません。が、分析を重視するタイプが言葉を重視することに対し、事実を重視するタイプでは、より数字など客観的な根拠を求めます。このタイプは相手にも証明や根拠を求める。あいまいなことを言うとすぐツッコまれます。こういう人と話すのは面倒くさいですね。でも、評論家や官僚、中間管理職には、こういう人が多いようです。

そして四つ目が、規範を重視するタイプです。道徳や価値観に基づく判断に重きを置いて考えます。みんなが喜ぶ、みんなが納得するということを重視し、論理よりも情緒、道徳とか地位などを考えた上で、良い、悪いという言い方をよくします。地位や権力も重視します。「上から、何とかしてくれないとうちは困りますよ」という半分威嚇的な、脅し的な言い方をするのは、規範を重視するタイプ。「〜すべき」というのも、道徳とか倫理観を議論の前提に置いているからです。

相手は何を重視するタイプなのか、そして自分の思考タイプはどれなのかを知っておくことで、自分の無意識な癖を抑えながら、より相手に合わせた話をすることができます。そうすることでプレゼンや交渉を、効果的に成果を引き出すことができます。

では、相手がどんなタイプか分からない場合はどうすればいいのか? 

その時はとにかく質問することです。

まずは、いっぱい質問して、「この人こういう傾向がある」「こういう話が好きそうだ」と探っていきます。そしてその人の口癖などから、4つの思考の中のどのタイプの人なのかを想定して、それに合わせた話し方を心がける。

そうすることで、相手は自分のことを分かってくれている!という気にもなります。

このように、場づくりをしてその中で話ができれば、相手の心をツカむ!確率もぐっと上がります。ということで、"相手を知って話す"ためには、同じくらい「聞く力」が大切なんですよね。

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