小山田早織さん「身の丈に合った服を使った素敵なスタイリングをしたい」Lenet FUN! MY STYLE

私のスタイリングのルールは「その格好で街を歩けるか」というのが大前提

日本一忙しいスタイリストと言われるほど、雑誌やTVなどで大活躍中の小山田早織さん。小山田さんのスタイリングは、ファストブランドをうまく取り入れた、実践しやすいものばかり。著書『身の丈に合った服で美人になる』(講談社)には、スパルタとも言われる小山田さんならではの持論が満載です。今回は小山田さんに、スタイリングのこだわりや今年の秋冬のトレンド、お洋服のケアや収納のコツなど、たっぷりとお話をうかがいました。

「その格好で街を歩けるかどうか」がスタイリングのルール

私は独立したときに"物が売れるスタイリスト"になりたいと強く思っていました。例えば、私が組んだスタイリングを見ていただいた方に「週末お買い物行ってみようかな」とか「見に行ってみようかな」と思っていただいたり、実際その服を買っていただいたりしてもらえるというように、自分が組んだスタイリングを元に人や物が動くスタイリストさんになりたいなと常に思ってやってますね。

私のスタイリングのルールは「その格好で街を歩けるか」というのが大前提。街はどんな格好でも歩けると思うんですが、その日のTPOもありますし、自分は良くても他人が見て下品だって思われてしまってももったいない。街を歩いていてなんか素敵って思われる女性が、私が素敵だと思う女性。そういったスタイリングを常に心がけています。

小山田さんが考える「身の丈に合った服」とは

中島のりゆき

著書『身の丈に合った服で美人になる』は、自分では気づかないうちに自分の中に蓄積されていた知識を一冊にまとめた本です。本を通じて日常思っていることや自分自身の思考を純粋に伝えようと思っていたのですが、編集やライターの方々と本を作るなかで、気づいたらスパルタっぽい持論になっていったんですよね。

客観的に自分の考えを目の当たりにしたのは初めてなのですごく新鮮でしたし、「私ってスパルタなんだ」って思いました。出版社の会議でも、ストイックとかスパルタっていう言葉があがったそうです。すごく普通の人間と思って生きてきたんですけどね(笑)。

「身の丈に合った服」というのは、日々私がスタイリングしたりする中でよく使っている言葉で、それを編集の方が拾ってくださって本のタイトルになったんです。

「身の丈に合った服」っていろんな意味が込められているんですが、トレンド感が強すぎる洋服とか、個性が強すぎるものとか、非常に高価なものとかを無理やり取り入れるよりは、値段で判断せず自然に取り入れられるような洋服のことを指しているんです。

私は毎月いろいろなアパレルブランドさんをまわっていますが、コスパブランドも安いという意識は正直なくて、毎年シンプルながらも少しづつトレンドを取り入れていらっしゃるし、逆にトレンド感の強いものを手に取りやすい価格で出していらっしゃるので、今っぽいスタイリングをする時になくてはならないブランドっていう意識もあるんですよね。

ユニクロやgu、ZARAにはありそうでないアイテムがあったりするから、お借りしに行ってスタイリングに組むんです。そのスタイリングを見て皆さんが買ってくださって、それが反響となって......という繰り返しで、気がついたらこういったコスパブランドを使うのが上手だねって言われるようになっていたんです。

だから、自分にとってはすごく自然な流れですし、自分のスタイリングにはなくてはならない存在ですね。

中島のりゆき

今年の秋冬は「色✕色」のスタイリングに注目!

今年の秋冬は、昨年の「ノームコア」というシンプルベーシック路線から一転して、色もカラフルですし、ファーやベロア、ジャガードといった素材がトレンドですね。

その中でも特に私が注目しているのが、色✕色のスタイリング。

毎年秋冬はマスタードやボルドー、深いグリーンとかがトレンドカラーとして流行るんですけど、そこに色を掛け合わせたりとか、素材感を組み合わせたりとか、昨年はできなかったスタイリングが今年は面白くて、注目しています。どんどん提案していきたいなと思っています。

素材に合ったケアやアイテムごとに収納するのがコツ

大切な洋服ってケアが大変だと思うんですけど、意外と皆さんできているようでできていないなと印象を受けています。例えば、その服にあった形のハンガーにかけてなかったり、ニットなのにハンガーにかけられていたりとか、逆にシワになりやすい素材なのにたたみの引き出しにしまっていたりとか、素材の特性にあった場所に保管するということが、まずは大事なのかなって思いますね。

あと、洋服を洗いすぎると、どうしても繊維が切れてしまうので、ちゃんとしたおしゃれ着用の洗剤でお洗濯してシワを防ぐなど、素材にあった手入れをするのが大事。シミ抜きも、趣味じゃないかというぐらいやってますね。シミ抜き、好きです。めんどくさいと思ってやらないのがコツですね。シミ抜きについてネットで調べると、結構裏技みたいなものとか出てくるので、少しづつ試して楽しんでますね。

収納のコツはアイテムごとにまとめることですかね。トップスだったらトップス、パンツだったらパンツ、スカートだったらスカートといった感じで、アイテムごとにまとめつつ、色ごとにまとめています。

そうすると、例えば今日はこのスカートを履こうと思ったときに、その付近と照らし合わせるだけで選択肢が見えてくる。白を合わせようとしたときに、ちょっと黒っぽい方へ持っていったら、意外と黒っぽいのも合うんだなという発見もできますしね。逆に整理整頓できてないと、なんかいつも決まったスタイリングになってしまう気がします。

SNSを通じて自分のスタイリングを見直すことも

中島のりゆき

最近はSNSでもスタイリングを紹介しています。雑誌やメディアだけでは伝え切れないことを、自分の言葉で自分の表現で伝えられているので、SNSは素敵な場所だなと思いますね。

自分の投稿に対してリアルタイムに反応してくださるので、このスタイリングは素敵なんだと認識することができるというか。自分が毎日投稿することで「最近ジーパン履いてないな」とか「最近ワンピばっかりだな」とか自分自身のスタイリングを見直すためにも活用しています。

逆に、見ていただいてる方から新しいアイテムやスタイリングを教えていただくことも多いですね。