自閉症スペクトラム障害(ASD)は、脳の過成長と関連するとされるが、これが行動症状とどのように関係するのかは明らかにされていない。
今回、H Hazlettたちは、家族性ASDに高いリスクを持つ幼児を対象に神経画像化による長期的研究を行い、24カ月齢時点でASDの診断を受けた高リスク児は、6~12カ月齢の時点で皮質成長率の増大を示していたことが分かった。
高リスク児の早期脳過成長は、24カ月齢での社会性障害と関連しており、6カ月と12カ月時に取得した画像データから、高リスク児における24カ月時のASD診断を予測できた。
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これらの知見から、ASD発症に向かう脳成長の軌跡の差は、生後第1年の間に早くも現れることが分かる。
Nature542, 7641
2017年2月16日
原著論文:
doi:10.1038/nature21369
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