日本人のブランディングなくして、日本人のグローバルでの活躍はない

外資系の会社で働き始めてもう23年になります。振り返って、何がよかったのだろうと考えたとき、「日本人であること」には結構助けられたと感じています。
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外資系の会社で働き始めてもう23年になります。英語も大して話せないのに、よくもここまで生き残ることができたなと思います。振り返って、何がよかったのだろうと考えたとき、「日本人であること」には結構助けられたと感じています。

グローバル社会で働く時に、まず絶対的に外国人がまねできないこと、それは自分が「日本人であること」です。個人の武器だけで戦うのではなく、日本人であることに世界的な価値があれば、グローバル社会で働く日本人は戦いやすくなります。

人材の交流が国を超えるグローバル社会で日本人が活躍するためのキーワード、それは日本人を「ブランディング」することです。

例えば、日本人の強みは「ホスピタリティー」「品質」「正確性」。逆に、グローバル基準からギャップがあると感じられているのが「意思決定スピード/透明性」「コミュニケーション(含む外国語能力)」「リスクをとる力」などです。こうしてみると、日本人はグローバル社会でリーダーというよりはどちらかというとリーダーのサポート役(参謀や下部組織の長、執事、等)となって活躍する方が力を発揮できるようにみえます。それなら、無理に「偽外国人」になろうとせず、自分たちの強みを活かして参謀やCFO、またはセクレタリー的な役割を日本人で占めてしまおうという戦略はアリです。

こういった方向性が見えてくると、自分たちの成長軸が明確になって努力もしやすくなるため、いい人材も増えてきます。結果、日本人全体のイメージが底上げされてきます。数字に強いインド人が実際ITの世界で活躍しているのと同じように、ホスピタリティー/品質/正確性が高い日本人というブランドイメージをつくることで、人材はもちろん、その日本人がつくったモノ/文化の輸出にも大きな需要が生まれます。

さらに、教育の世界も進化していきます。日本人ブランドの骨子に沿って教育カリキュラムが整理されると目的意識が高まります。自分たちは世界からどういう期待をされているのか、実際どういうところで力を発揮できるのか。そんな即戦力のプログラムになっていくので、子ども達も今より少しは勉強する意義がみえてくるのではないでしょうか。

日本人は足りないところをたくさん見つけて一生懸命補おうとしますが、そうすればするほど、実は日本人という存在感が薄くなっていきます。「日本人にもできますよ!」という発想ではグローバル社会では勝っていけません。「日本人だからできる!」という発想とそれをしっかりとブランディングする力がグローバルで戦う我々に今必要です。

GAISHIKEI LEADERSは、外資系企業での仕事等を通じて日々グローバル社会とかかわってきたメンバーが、自らの『和魂洋才』を一層磨き上げ、社内外で活用し、グローバル社会と調和した、開かれた元気な日本の未来を実現することを目指し、設立されたコミュニティ・プロジェクトです。『和魂洋才』の梁山泊となり、日本社会・日本企業の多様性の欠如や視野狭窄、長期停滞等の課題に対して、新たな視点での解決策を提案し、政治・経済・教育の各分野から日本社会に変革を起こしていくことをゴールとして活動を展開しています。

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