ニューヨーク・タイムズのタイトルに関するデータを、コロンビア・ジャーナリズム・レビューがまとめています。紙面とデジタルのタイトルを分析したものが、上のようなチャートでまとめられています。
見てみると、意外なことに、「新しい」「米国」「記録」など10個中9つが同じになっています。紙では「one」、デジタルでは「dies」がそれぞれ入っているだけの違いです。ウェブでも紙でも、結局使われる言葉がほとんど同じ、というのは興味深いですね(こういったタイトル付けがデジタル時代にベストなのか、編集部がデジタルに対応できていないから紙と似通っているのかはわかりません)。
また、検索経由でどんな単語が多いかについてもまとめられています。「本」「結婚」「音楽」といった言葉がランクイン。タイトルの長さ(使われる単語数)については、紙がいちばん短く、ウェブのほうが長いことがわかっています(ただし2011年くらいまでは同じくらいの長さ)。
ウェブはグーグルのアルゴリズムやフェイスブックのエッジラング、ツイッターカードなど、意識する要素も多かったりするので、タイトルの長さにもいろいろと影響しているのかもしれません。バズフィードなんかは、読者がどんな文言をつけてシェアしているのか、といったデータを分析しているので、そういったデータがどんな結果なのか気になります。
意外とタイトルに関するデータはオープンにされることが少ないですが、国内でもヤフーニュース編集部が「Yahoo!ニュースで起こった『ダルビッシュ論争』~編集とデータ活用の現場から」といったブログ記事を出しています。データがどのようにタイトル編集を最適化しているのか、このような現場から出てくる苦悩と工夫はぜひ一読しておきたいものです。今回のコロンビア・ジャーナリズム・レビューの記事もグラフだけでもチェックしてみてください。
(2015年8月10日「メディアの輪郭」より転載)